脳梗塞―脳の血管のどこが詰まるかそれによって損なわれる機能も異なります

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脳梗塞―脳の血管のどこが詰まるかそれによって損なわれる機能も異なります。

脳の働きは場所によって異なります。たとえば視覚を司っている部分が障害されれば目が見えにくくなり、運動を司っている部分に梗塞巣(脳細胞が壊死した部分)があれば、体の麻痺が起こるというわけです。
脳の働きにあまり関係ない部分で起こった場合は、小さな梗塞であれば気がつかないこともあり得るのです(無症候性脳梗塞)。あるいは、ピンポイントでその部位に梗塞が起こってしまえば、小さな梗塞でも症状としては重くなる可能性があります。

また、よく知られていることですが、左大脳半球の障害では右半身に麻痺が現れ、右大脳半球に障害が起こると左半身に麻痺が出ます。
なぜ左右が逆になるかと言うと、自分の意志で筋肉を動かす随意運動を司っているのは、中心溝の前側に位置する運動野と呼ばれている大脳皮質です。ここから発せられた指令は、錐体路と呼ばれる伝達路を通って、脊髄に達しますが、途中、延髄で錐体路が交差しているからです。

もうひとつ、右脳人間、左脳人間などという言葉もひところよく使われました。
前者は感覚的、後者は論理的な人間という意味で使われたのですが、これは右脳には音を聞くときに働く領域があり、左脳には言語野があるからでしょう。言語野に障害が起これば、失語症のさまざまな症状が出ます。右脳が障害されて失語症が出ることはほとんどありません。

※無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)
脳ドックの検査などで小さな脳梗塞の跡がいくつか見つかることがあります。本人が50歳以上で、まったく自覚症状がなく、数も少なければ、正常な老化の範囲と考え、特に治療もしないのが普通です。
ただ、中にはどんどん増えて認知症につながるケースもあるので、経過観察は必要です。CTやMRIの普及がなければ、存在しなかった病名と言えます。
「健康講座 脳梗塞より」

脳梗塞、隠れ脳梗塞、多発性脳梗塞の予防・対策
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