適度な運動が免疫系を最適化する

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適度な運動が免疫系を最適化する
 
ストレスをうまくコントロールすれば、免疫系が最適化されます。
カゼを頻繁にひいていたので、自分のことをそんな体質だと思っていたが、運動をはじめてからすっかり元気になり、カゼをひかなくなった、というような経験のある人は多いでしょう。
 
適度な運動を定期的に実行している人は、感染症への抵抗力が高まり、病気にかかりにくくなります。
一方、過度の運動をすれば、逆に、これがストレスとなり、感染症への抵抗力が下がり、感染症にかかりやすくなります。
 
2005年、早稲田大学スポーツ科学学術院の赤間高雄教授は、運動を継続してきた高齢者と運動習慣のない高齢者における免疫グロブリンAの分泌量を比べました。
免疫グロブリンAはカゼの感染を防ぐ働きがありますが、高齢になると分泌量が下がります。
 
ここでいう運動を継続してきた高齢者とは、週2回、それぞれ1時間の運動教室で自転車による有酸素運動と筋力トレーニングを1年以上継続してきた人のことです。
有酸素運動は、筋肉に蓄えられているグリコーゲンを、通常の呼吸によって取り入れた酸素を使って代謝する運動のことです。
 
運動を継続してきた高齢者(平均年齢66.9)免疫グロブリンAの分泌量は、運動習慣のない高齢者(平均年齢66.4)に比べて、約50パーセントも高かったのです。
しかも、それぞれの参加者において、運動教室に参加する以前よりも参加したあとのほうが免疫グロブリンAの分泌量が増加していました。
このことから、適度な運動によって免疫力が高まることがわかります。
 
ですが、運動が激しすぎると、逆に、免疫力が下がることも証明されています。
1997年、アパラチア州立大学のデービッド・ニーマン教授は2311人のマラソン選手のトレーニング量とカゼのひきやすさを報告しました。
 
その結果は、毎週96キロメートル以上を走るマラソン選手は、毎週32キロメートル以下を走るマラソン選手の約2倍もカゼをひきやすかったのです。
また、フルマラソンを完走した選手は、フルマラソンに参加しなかった選手より約6倍の頻度でカゼをひきました。
 
運動は適度ならば、免疫系を最適化しますが、過度になっても過小になっても、免疫力を低下させることがわかります。
交感神経と副交感神経のパランス、脳、免疫系、内分泌系のバランスに加え、運動も適度なバランスをとることが大事なのです。
「病気にならない脳の習慣 心と免疫力のしくみ より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
 
ビタミンB12について