まずエクササイズ、つぎに勉強
毎年、春になると、コガラは新しい歌を覚え、この時期に海馬で多くの新しい神経細胞が誕生しています。
刺激の多い恵まれた環境で育ったネズミの脳では、ふつうの環境で育ったネズミよりも多くの神経細胞が誕生しています。
実際に、環境富加ネズミは、ふつうのネズミよりも学習能力がすぐれています。
エクササイズするネズミは、エクササイズしないネズミに比べて、海馬の神経細胞が増殖していました。
生きているヒトの海馬を取りだして観察することはできませんが、脳の画像を調べると、エクササイズによって前頭葉、海馬、側頭葉の領域が拡大していました。
このことだけでは、脳のこれらの領域において神経細胞が増殖していると断定できません。
理論上、グリア細胞が増殖している可能性があるからです。
ですから、大半の神経幹細胞や神経細胞は、仕事がないので死んでいくことになります。
これをヘップの法則といいます。
ネズミを用いた研究では、カゴの中に回転する車輪を置いただけで、生まれてくる神経細胞の数が2倍に増えました。
すごい発見です。
ですが、これだけではもったいない。
神経細胞が生き残り、脳の回路となるには、軸索に信号が流れる必要があります。
軸索に信号を流すには、脳に刺激を送ること、すなわち、学習や経験をすることです。
学習とエクササイズは切り離せません。
それなら、エクササイズしながら、勉強すればもっとも効果的かというと、そうではありません。
激しい運動をしている最中に勉強しても覚えられないことがわかっているからです。
激しい運動をすれば、血液は脳の前頭葉に回らなくなるので、新しいことを記憶しにくいのです。
ですから、エクササイズしながら、試験勉強するのは効率が悪いのです。
ポイントは、順番です。
まず、エクササイズすること、そのつぎに学習することです。
両者を同時にやってもいけないし、この順番を逆転させてもいけません。
「よみがえる脳 より」
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脳の中のシナプスが密であればあるほど、いろいろな能力が高まります。
記憶力でいえば、記憶したことが鮮明に脳に焼きつけられることになります。
ところが、脳の研究が進み、近年になって、神経細胞は年をとっても増えることがわかったのです。
その中でも重要なものがビタミンB12です。
ビタミンB12について