きちんと覚えていないから、思い出せない

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きちんと覚えていないから、思い出せない
 
自分で頭の働きが悪くなったのではないかと自覚するのは、まず度忘れでしょう。
最近どうも人の名前が思い出せない、ついこの前読んだ本のタイトルが思い出せないといったことがよくあると、ボケがはじまったのではないかなどと、心配したりするのではないでしょうか。
 
たんなる度忘れならば、心配する必要はありません。
度忘れは別に年齢に関係なく、若い人でも起こることです。
 
度忘れが、脳のどのようなメカニズムで起こるのかはわかっていませんが、もともと、きちんと覚えていなかったということがあります。
 
短期記憶には海馬が関係しています。
まず海馬に入った記憶がさらに脳のいろいろな部分に蓄えられます。
どこかの部分にしまわれていたとしても、それを引き出すことができないということがあります。
 
たとえば、タレントなどの名前が思い出せないといったとき、顔などは思い浮かべられるのに、どうしても名前が出てこないということがあります。
そのときに、「ほら、あの映画に出ていた」「いや、この前やっていたテレビドラマにも出ていた」などと、喉もとまで出かかっているにもかかわらず、なかなか思い出せずにいらいらしたりします。
 
いろいろな情報を覚えているのですが、名前だけが出てこないのです。
それは、顔の記憶は脳のある部分にしまわれていて、映画やドラマのストーリーは別の部分に、さらに固有名詞は別の部分に、といったように、脳のあちこちに記憶が分散されて蓄えられているからです。
それらのネットワークがうまくつながれば、名前も思い出せるのです。
 
ですから、いろいろな情報を複合的に脳のいろいろな場所に蓄えておけばおくほど、記憶を引き出す材料が多いことになります。
 
覚えるときにぼんやりしていて、意識していないと、そうした記憶がきちにとしまわれていないのです。
 
たとえば、漢字を覚えるときに、ただ見ただけではなかなか覚えられません。
見るだけでなく書けば多少は覚えます。
さらに一度だけではなく何度も繰り返し書く、声に出して読みながらやれば記憶は定着しやすいものです。
 
つまり、目だけでなく、手も口も使うことで、覚えやすくなるわけです。
それは脳のいろいろなところを使うことで、脳のいろいろな部分に記憶として蓄えられ、ネットワークを強化するからです。
 
度忘れしやすいのは、そうした記憶の定着が曖昧だからです
ただし、直前のことをまったく覚えていない、家に帰る道がわからないことがある、簡単な計算ができない、などということがあったら、認知症の疑いがありますから、早い段階に病院で診てもらうことが必要です。
 
       たんなる度忘れならば、認知症を心配することはない
       度忘れするのは、脳内のネットワークがうまくつながらないことによる
       何度も読む、繰り返し書くなど、五感をフルに働かせれば記憶は定着しやすい
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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年をとると喜怒哀楽がなくなり、脳の感情の起伏が少なくなり、いわゆるボケの症状が出てきます。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われなければなりません。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っている事が判明しています。
 
さらに興味深いことは、当時、精神神経学会会長であった京都大学医学部老年科の亀山正邦教授によると、「健全な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳に含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで低下している」という事が明からされております。
 
これは、精神神経学的な機能とビタミンB12との間の密接な関係が示唆されています。
 
発見の当初は19世紀中頃、鉄分の補給でも治癒しない悪性貧血と呼ばれる病気があることから始まりました。
1920年代から1930年代にかけて、この種の特殊な貧血に動物の肝臓が有効であり、動物性食品にこの有効成分が含まれているらしい事が漸くわかってきました。
 
ビタミンB12の研究の初期は、ビタミンB12と言えば悪性貧血、悪性貧血と言えばビタミンB12といわれました。
 
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調―手足の痺れ・麻痺・痛みなど―はもちろん、中枢神経―脳・脊髄―の機能低下にも有効である事が明らかになっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について