
長生きすればするほどボケる可能性は高くなる?
世界的には、血管性がほぼ30%程度、アルツハイマー病とされるものが50%程度とされています。
ただし、日本では血管性が50%程度で高いといわれています。
もともと、血管障害を原因としない、原因がわからないものをアルツハイマー病といっていたのですが、1990年代にはいって、研究が飛躍的に発展しました。いまはアルツハイマー病と診断するためには3つの基準があります。
ひとつは、脳に老人斑というものが見られるということです。
2番目に、神経細胞自体に神経原線維変化というのが起こっているということです。
3番目に、脳が萎縮していることです。
これは神経細胞死が起こるためです。
つまり、老人斑が生じ、神経原線維変化が起こり、脳の神経細胞が死んでいって脳の萎縮が生じるのです。
一般には、アルツハイマー病の発症は65歳以降ですが、早いものは40歳頃(もっとも若い時期に起こるのは20代後半)から起こります。
40歳~60歳で生じたものは「若年性アルツハイマー病」といわれ、ほとんどが遺伝性です。
遺伝性のアルツハイマー病は家族性のもので、数%程度といわれます。
ですから、普通は心配しなくてはならないのは、65歳からということになります。
認知症は、65歳以上で1割、85歳以上で5割、100歳以上で9割が患っているという報告もあります。
そうなると、怖いことに、長生きすればほとんどの人がなる確立が高くなるというわけです。
しかし、平均すると85歳で脳細胞の79%が機能しているわけですから、健康であれば脳の働きがそれほど衰えることはありません。
血管障害など長年の生活習慣によって、脳細胞が平均以上に加速度的に減って、認知症の確立が高くなるのです。
ですから、脳を健康に保つためにも、体の健康を維持する生活習慣が大切ということになります。
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
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年をとると喜怒哀楽がなくなり、脳の感情の起伏が少なくなり、いわゆるボケの症状が出てきます。
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われなければなりません。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っている事が判明しています。
さらに興味深いことは、当時、精神神経学会会長であった京都大学医学部老年科の亀山正邦教授によると、「健全な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳に含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/4~1/6程度にまで低下している」という事が明からされております。
これは、精神神経学的な機能とビタミンB12との間の密接な関係が示唆されています。
発見の当初は19世紀中頃、鉄分の補給でも治癒しない悪性貧血と呼ばれる病気があることから始まりました。
1920年代から1930年代にかけて、この種の特殊な貧血に動物の肝臓が有効であり、動物性食品にこの有効成分が含まれているらしい事が漸くわかってきました。
ビタミンB12の研究の初期は、ビタミンB12と言えば悪性貧血、悪性貧血と言えばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調―手足の痺れ・麻痺・痛みなど―はもちろん、中枢神経―脳・脊髄―の機能低下にも有効である事が明らかになっています。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
ビタミンB12について