「覚えよう」という意欲があれば、記憶力の低下をカバーできる

イメージ 1
「覚えよう」という意欲があれば、記憶力の低下をカバーできる
 
年をとると、実際に脳のどのような働きが衰えるのでしょうか?
 
大脳皮質に蓄えられた過去に蓄積した知識は、年をとってもなかなか衰えません。
ところが、70歳になってから新しい知識を覚えようとすると、20代の頃と比べるとかなり時間がかかるし、覚えても忘れやすいものです。
 
年をとればとるほど、パソコンなどを覚えるのに時間がかかるようになるし、携帯電話の使い方なども覚えられなくなります。
また、覚えようという気力もなくなります。
 
なかには、60歳を過ぎても大学や大学院に入ってもう一度勉強しなおそうとするなど、新たなことにチャレンジする人がいます。
そういう人の話を見聞きすると、「いくつになってもやろうと思えばできるじゃないか」と励まされます。
 
高齢の方など、体や脳の老化を少しずつ自覚するようになると、なおさら「いくつになっても大丈夫」と思いたいものです。
 
しかし、実際に高齢になって新たなことを覚えようとするのは大変です。
知能テストなどの調査でも、昔覚えたことは30代、40代、50代、60代と年代が高くなっても意外と忘れないようです。
 
しかし、それまで見たり聞いたりしたことのない新たな問題を解く力は年とともに落ちていくのです。
 
脳細胞の数が減ってくるのですから、同じことを覚えるのでも、年をとればとるほど時間がかかるようになるのは推測できることです。
 
年をとればとるほど、新しいことを覚えることは難しくなります。
それでも、なお新たなことに挑戦しようとする人は、かなり意欲があるのです。
そして、意欲さえあれば、多少覚える力が衰えていても、なんとかそれをカバーすることもできるのです。
 
覚えようという気がなければ、人の名前でもものの名前でも覚えられません。
それは年齢に関係ありません。
ですから、脳細胞の数が減った、もの覚えが悪くなったと気にするよりも、「覚えよう」とする意欲さえあれば、年をとってもの覚えが悪くなったといっても、ある程度カバーすることはできるものです。
 
60歳を過ぎても大学や大学院に挑戦しようという人が、何百人に一人だとしても、いるわけです。
誰もができるわけではありませんが、新たなことに挑戦できるのは、能力がそれほど衰えていないともいえますが、大事なことは、それを支えるのは好奇心が旺盛で、やる気があることです。
 
もう一つ大事なことは、頭を使い続けることです。
 
仕事は惰性で、本も読まない、何に対しても好奇心を抱かないといった、ほとんど頭を使わない、脳に楽をさせるような生活を長年送っていたら、脳細胞がどんどん減って、脳が衰えるばかりでしょう。
 
       昔覚えたことは年をとっても忘れにくい
       頭を使わない、脳に楽をさせる生活をすると、脳は衰えるばかり
       いくつになっても挑戦する意欲があれば脳はいつまでも力を発揮する
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
年をとると喜怒哀楽がなくなり、脳の感情の起伏が少なくなり、いわゆるボケの症状が出てきます。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われなければなりません。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っている事が判明しています。
 
さらに興味深いことは、当時、精神神経学会会長であった京都大学医学部老年科の亀山正邦教授によると、「健全な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳に含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで低下している」という事が明からされております。
 
これは、精神神経学的な機能とビタミンB12との間の密接な関係が示唆されています。
 
発見の当初は19世紀中頃、鉄分の補給でも治癒しない悪性貧血と呼ばれる病気があることから始まりました。
1920年代から1930年代にかけて、この種の特殊な貧血に動物の肝臓が有効であり、動物性食品にこの有効成分が含まれているらしい事が漸くわかってきました。
 
ビタミンB12の研究の初期は、ビタミンB12と言えば悪性貧血、悪性貧血と言えばビタミンB12といわれました。
 
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調―手足の痺れ・麻痺・痛みなど―はもちろん、中枢神経―脳・脊髄―の機能低下にも有効である事が明らかになっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について