脳神経のネットワークは高齢からでも発達する

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脳神経のネットワークは高齢からでも発達する

成人の大脳にはおよそ130億個の神経細胞があるとされており、明確な数字はわかっていません。
この神経細胞は生後1年まではさかんに分裂しますが、それ以降は分裂せず、毎日少しずつ死んでいきます。
人体の発生の初期に神経細胞が最も多く死滅するということは、一見、理解に苦しむかもしれません。
 
しかし、この理解しにくい現象が、実は神経系の発達や電動路の形成を考えるときのポイントとなるのです。
つまり、神経成長因子によって導かれた神経線維は、あくまでも遺伝的な情報にもとづいてあらかじめ用意されていたものなのです。
 
しかし、膨大な数の遺伝子に、このような大量の神経細胞のそれぞれがどこに行ってどこで活動するかについて、あらかじめ設定されていることは考えにくいことです。
このことからも、脳は遺伝情報だけで成長しているのではないことがわかるでしょう。
 
神経線維は、ある程度の目安をつけてそれぞれの臓器に触手を伸ばしているのであって、ときとして誤って違う場所にのびていくことや、必要以上に多くの神経線維がのびていってしまうことも起こります。
神経線維の数は、このようにして胎生期や生後の発達段階で調整されるというわけです。
 
細胞体と軸策突起および樹状突起から成る神経細胞は、発生の初期では神経芽細胞として突起は持っていません。
いったん分裂が終わった神経芽細胞は、もはやそれ以上分裂する能力はありませんから、突起を出して成長するだけとなります。
 
この突起を出すとき、数は多いとはいえ、発達段階の未熟なやせた神経細胞でネットヨークを作るよりも、たとえ少数でも、じゅうぶん発達してより成長した神経細胞でネットワークを作ったほうがはるかに効率的です。
 
このため、あとあと不要になる可能性のある多くの神経細胞を前もって用意しておき、ネットワーク作りのうまくいったものだけを残すようなしくみがとられているのです。
「よく使うネットワークがより発達する」という神経細胞のこのような性質を可塑性といい、かなりの高齢になっても維持することができます。
たとえ神経細胞が傷ついても、修復は可能です。
「自分で見つけて治す隠れ脳梗塞 より」
 
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脳は神経細胞の集まりと思われていますが、正確には「神経細胞(ニューロン)と、それらの情報を伝える役目をしているシナプスから成り立っています。脳を使えば使うほど、これらのシナプスが増えていきます。
脳の中のシナプスが密であればあるほど、いろいろな能力が高まります。
記憶力でいえば、記憶したことが鮮明に脳に焼きつけられることになります。
 
昔は、脳の神経細胞は生まれたときから増えることはないから、このシナプスを増やすことが、すなわち脳を発達させることだと考えられていました。
ところが、脳の研究が進み、近年になって、神経細胞は年をとっても増えることがわかったのです。
 
脳を使ってこれらの神経細胞を増やし、なおかつ、シナプスを密にすることが脳を鍛えるということなのです。
 
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのために必要な素材として栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12です。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
「老化対策・栄養療法の一環にビタミンB12プラス優れた副成分」
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸など他のビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB群はバランスよく摂ることで相乗効果を発揮します。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
栄養療法の一環としてご利用いただきたいと思います。