おおもとは脳が疲労していることだった?
もう少し簡単に言えば、ストレス過多、情報過多によって脳が疲れて、脳が本来の働きを果たせなくなっている状態のことです。
ストレスがあると心が疲れます。
忙しくなると体が疲れます。
でも、実はいちばん疲れているのは脳なのです。
たとえば、運動をすると疲れますね。
おそらく「体の疲れ」を感じると思います。
たくさん歩いた後には足が疲れますし、猛暑のなかゴルフをすれば1ラウンドでくたくたです。
ところが、疲労医学における第一人者である梶本修身先生らの研究では、4時間も体に負荷のかかる運動を続けても筋肉にはほとんど影響はなかったそうです。
一方で、大変なのが、運動時はもちろん、24時間365日絶えず呼吸や心拍などを細かく調節している自律神経です。
もちろん自律神経は勝手に働くわけではなく、その自律神経をコントロールしている中枢が脳にあります。
そのため、体にかかる負荷が大きければ大きいほど、体以上に脳内の自律神経の中枢が疲れるのです。
脳というのは、自律神経だけではなく、全身を支配しています。
だからこそ、脳が疲れればいろいろな不具合が起こります。
藤野先生は、脳疲労から心と体に異常、病気が起こる理由を次のように説明しています。
ストレス過多によって脳疲労が起こると、五感の機能が低下し、満腹中枢がおかしくなって食べすぎたり、体を動かしたくなくなったりという行動異常が起こる。
その結果、生活習慣病などの体の病気を引き起こす。
一方、心のほうは、ストレス過多による脳疲労で情報に対する認識力、理解力、情報処理能力が低下すると、仕事や人間関係がスムーズにいかなくなり、それがどんどん悪化するとうつ病などのメンタル疾患を発症してしまう。
今の医療は臓器別の縦割りになっているため、心臓が悪ければ心臓ばかり、肝臓が悪ければ肝臓ばかり、胃が悪ければ胃ばかりを診ます。
パーツごとの医療です。
でも、それらを支配しているおおもとは脳。
その大事な脳をストレスから解放させてあげることが何より肝心です。
生きている限り、脳にストレスがまったくない状態というのは、ありえません。
そのストレスを脳がどう処理するかが問題で、処理しきれないほどにストレスが増えてしまうという本来の働きができなくなってなんらかの病気になってしまうのです。
「90歳まで元気で生きる人の7つの習慣 より」
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脳の機能にとって神経伝達物質がきわめて重要な存在です。
記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
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