脳梗塞のまえぶれ  一過性脳虚血発作

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脳梗塞」を簡単に説明しようとすると、
動脈硬化が進行し、血管が厚くなり、血管内皮の機能が落ちる。
その結果、血管の内側に血小板が付着しやすくなる。
これが大きくなって剥がれ落ち、塊(血栓)になって血管を流れる。
この血栓が脳の血管につまり、その先の細胞に栄養が届かなくなる。
その結果、脳の神経細胞が死んでしまい、まひなどが起こる。

脳梗塞」と発症に至る経緯が同じなものに「一過性脳虚血発作」がある。
半身の麻痺や手足のしびれ、ものが二重に見える、言葉が出ないなどの脳梗塞の症状が一時的に(2~15分)出るが、血栓が解けることで24時間以内に症状は消失するのだ。

この「一過性脳虚血発作」が脳梗塞のまえぶれである。
一時的であれ、脳の血管に血栓がつまるのは、血管の内腔が狭くなっていることの証明であり、血管内腔の狭窄は、「脳梗塞」を引き起こす原因になるのだ。

症状が治まったからといって放置していると、本格的な「脳梗塞」の発作につながる。
「一過性脳虚血発作」の段階できちんと治療することが、「脳梗塞」予防には重要。
こうした症状が2回出たら、必ず専門医を受診してください。

重大な後遺症が非常に長く続く「脳梗塞」を防ぐためには、「一過性脳虚血発作」を見逃さないことが大切だ。

 【「一過性脳虚血発作」の症状】
★からだの片側がしびれる、手足に力が入らない
★足がもつれて歩けない
★ろれつがまわらない
★人の言うことが一時的に理解できない
★ものが二重に見える
★一方の目が見えなくなる、視界の半分が見えない
★食べ物が一時的に飲み込めない
※24時間以内に症状が消失、2~15分で症状がなくなることが多い
※上記の症状が全て同時に出るわけではない

【「脳梗塞」を予防する生活習慣】
★塩分を控え(1日10グラム以下)、高血圧を予防する
★リンゴ、バナナ、ホウレン草、カボチャなど、塩分(ナトリウム)の排泄を促すカリウムを豊富に含む食品を積極的にとる
★カルシウムを豊富に含む食品や昆布、ゴマなどマグネシウムを豊富に含む食品を食べる
★動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品を控える
コレステロールを下げる作用がある不飽和脂肪酸のEPAやDHAを多く含むアジやサバ、イワシなど青背の魚を積極的に食べる
ウオーキングや水泳などの有酸素運動を心がけ、日常生活の中で、積極的に体を動かす
★高血圧や糖尿病の原因になるため、太りすぎに注意する
★十分な睡眠と休養でストレスを解消する
★喫煙は動脈硬化を進行させるため、禁煙する
★お酒を飲みすぎない(1日の飲酒量は日本酒1合、ビール大びん1本程度まで)



慶應義塾大学医学部神経内科の鈴木則宏教授のWEB上の記事を、私なりに判りやすく要約してみました。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/36825


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