★今なぜ、朝ごはんなのか?★

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「夜更かし」や「朝食を食べない」といった子どもたちの生活習慣の
乱れが学習意欲や体力・気力に深刻な影響を及ぼしています。
ある調査によると、この40年間で、小学生の就寝時間は約1時間、
中・高校生では約2時間遅くなり、半数以上の子が「昼間から眠たい」
と訴えているそうです。

★今なぜ、朝ごはんなのか?★

日本人の健康を増進させると期待されていた「健康日本21」の
政策ですが、今のところ、朝食欠食者と肥満者が逆に増加して
しまっています。
朝食は、時計遺伝子の働きを整え、脳の唯一のエネルギー源
であるブドウ糖を供給することにより、脳の活動を高め、
健康を維持する働きを担っています。
今、日本の中高生が、欧米や中国に比べると1.5時間も夜更かし
になり、約6割が朝から眠いと訴えたり、朝食をとらない人が
増えたりしているのは、非常に残念なことです。

文部科学省の大規模調査では、生活のリズムの乱れが日々の
活力や体力に大きく影響することがわかってきています。
また、筑波大学茨城県警察が非行少年について調査したところ、
生活の乱れが非行の大きな原因ではないかということを突き止めました。
朝食欠食児は理性を司る前葉体の働きが低下するためにカッと
なりやすい。
つまり、欠食して血糖が低下すると、肝臓から血糖をとり出す
闘争ホルモンであるアドレナリンが分泌され、脳幹部に衝動が
起きるというわけです。

健全な性格は、幼児期からの時計遺伝子の健全な働きで
脳の前頭葉が発達して培われます。
夜更かしでリズムが乱れた幼児は、やがて問題を起こしやすく
なることもわかっています。

アメリカでは、このような問題に対する思いきった解決策として、
何年も前から学校朝食の導入に踏み切り、非行が減って成績が
上がったという結果が出ています。

不規則な生活から、幼児の睡眠障害、学童の意欲低下、
生徒の非行、中高年の生活習慣病がますます増えています。

活力をとり戻すために「早寝、早起き、朝ごはん」の効果を
認識してほしいのです。

        女子栄養大学 香川靖雄副学長「栄養と料理」より 

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