★脳梗塞の後遺症 言葉の障害★

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脳梗塞の後遺症 言葉の障害★

脳卒中の後遺症としての言葉の障害には、構音障害と失語症があります。この2つは別のもので、構音障害は高次脳機能障害ではありません。
構音障害とは、手足の麻痺と同じように、唇や舌、声帯などの筋肉が麻痺し、発声や発音がうまくできなくなる障害です。これは大脳の言語中枢の問題ではありません。

それに対し失語症は、大脳の言語中枢に障害があった場合に起こります。右利きの人は、左大脳半球に言語中枢があり、左利きの人でも3分の2は、左大脳半球の損傷が失語症の原因になります。

失語症では、話すことだけでなく、聞いて言葉を理解すること、文字を理解すること、文字を書くことも障害されます。

失語症の程度は、脳損傷の広さや部位によってさまざまです。重い場合は意味のある言葉がまったく言えなくなり、ごく簡単な言葉の理解も困難で、読み書きもほとんどできなくなります。軽い場合は、ときどき言葉や文字が思い出せない程度のこともあります。

失語症は症状の特徴によって、いくつかのタイプに分けられます。
理解に比べて話すことが困難な運動性失語(ブローカ失語とも言います)と、理解力の低下が顕著で、言葉の数が多いわりには、言い誤りも多く、まわりくどい表現が多いために意図が伝わりにくい感覚性失語(ウェルニッケ失語とも言います)の2つが、代表的なタイプです。ただし、どのタイプにもはっきり分けられない失語症の人も少なくありません。

健康な人が、失語症つまり言葉が失われた状態をイメージするのは、なかなか難しいことです。よくたとえられるのは、突然、見知らぬ外国の街の中にたったひとり置き去りにされた状態です。周囲の声は聞こえてきても、意味はわかりません。聞きたいことがあって質問しても相手にこちらの言葉は通じないのです。

いったん失われた言葉を脳は取り戻すことができるのでしょうか。

最近の考え方では、失語症を言葉が失われた状態とはとらえません。失語症を、言葉を脳の中に取り入れたり、脳の外に取り出したりする回路が故障している状態と考えるのです。失語症の言葉のリハビリとは、言葉の再学習というより、この回路を刺激したり、再構築することと考えられています。
「健康講座 脳梗塞より」

脳梗塞の予防・対策
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