寝不足は記憶力を衰えさせる

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寝不足は記憶力を衰えさせる
 
「いつも寝不足の人は、アルツハイマー病につながる危険性がある」と警笛を鳴らしているのは、米・ワシントン大学医学部のデビッド・ホルツマン教授らです。
 
アルツハイマー病と睡眠との関係を表したこの研究では、アルツハイマー病の特徴的な脳の状態が、起きているときに強く出ていることを証明しました。
 
睡眠と脳の関係は、認知症だけではなく「記憶」についても研究が進んでいます。
 
特徴的なところで、「記憶は寝ている間に定着する」というものでしょう。
 
ある報告では、徹夜でテストに臨むと、2時間後には70%忘れ、8時間後には90%忘れてしまうとされています。
逆に、いったん記憶したら一眠りして、それからテストに臨んだ場合、2時間後には50%忘れてしまいますが、その後の記憶は保たれるのです。
 
つまり、100の英単語を暗記しなくてはいけない試験を控えた前夜を想定してみましょう。
テスト前に100の英単語をひと通り覚えたらすぐに寝てしまったほうが、意外と記憶が定着しているのです。
 
もちろん、睡眠をとった場合でも100すべてを覚えているわけではありません。
それでも、徹夜明けでボーッとしたまま試験を受けた状態よりは、眠ったあとのほうが記憶の減りが少ないことは明らかになっているのです。
 
その理由は、脳は私たちが眠っている間も活動を続けているところにあります。
寝ている間にも、その日の覚えた記憶の整理を活発におこなうことで、記憶の定着化が起こります。
覚えたてのことも定着させることによって「長期記憶」と呼ばれる、忘れにくい記憶となっていくのです。
 
質のいい眠りを十分にとることは、脳にとっていいことばかり。
記憶力をアップさせる方法でもあるのです。
「今日からはじめるもの忘れを防ぐ方法68 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
 
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸などのビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
脳と神経のビタミンB12