人間の寿命は120歳?―細胞の寿命が生物の寿命

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人間の寿命は120歳?―細胞の寿命が生物の寿命
 
体の器官によって、老化がいつはじまるかは違いますが、2025歳を過ぎれば、衰えはじめます。
そんなに若い頃からもう衰えはじめるのかとびっくりするかもしれませんが、それは仕方のないことです。
子どもから成長して大人になったら、もう衰えはじめるわけです。
 
人間はなぜ老化するのでしょうか。
一つには、細胞の寿命から人間には、あらかじめ寿命が設定されているという考え方があります。
人間の細胞が分裂する回数は、一生の間でほぼ60回程度が限度です。
 
つまり、細胞の寿命が個体である人間の命を決めているというわけで、そこから想定される人間の寿命はせいぜい120歳程度なのです。
これが、レオナルド・ヘイフリック博士によって公表された「細胞プログラム説」といわれるものです。
 
彼は若いときから人の細胞をシャーレの中で培養するという研究をしていました。
その中で彼は、若い人の細胞と高齢者の細胞には違いがあって、若い人の細胞は何度も分裂するのに、高齢者の細胞は早く死んでしまうということを発見しました。
 
さらに詳しく調べてみると、生まれたての赤ん坊からとった細胞は約60回分裂します。
しかし、80歳の人の細胞はゼロではないのですが、40回程度で止まってしまうことがわかりました。
そのことから、老化とは、その個体を構成している細胞が老化することであることが、わかってきたのです。
 
これは人間だけではなく、他の動物もそうで、100歳近く長生きするゾウの細胞と23年しか生きないマウスの細胞を調べたところ、一生の間に、ゾウは125回程度、マウスではせいぜい28回程度の分裂でした。
 
動物の平均寿命と細胞の分裂回数がきれいに比例するのです。
 
ということは、長生きするためには、分裂回数をふやしてやればいいということになります。
細胞分裂の回数に制限がある一つの原因は、染色体末端の「テロメア」という核酸の構造が短くなるためです。
 
ふつうテロメアは染色体を保護する役目を果たしていますが、細胞が分裂を繰り返すたびに短くなります。
テロメアの末端が短くなりすぎると細胞の分裂は鈍化し、最終的には分裂できなくなります。
これが細胞内の老化のメカニズムではないかと考えられています。
 
テロメアを修復するのが再生酵素テロメラーゼです。
この酵素は幹細胞とガン細胞だけにあります。
テロメラーゼは分裂する細胞の寿命を管理するメカニズムを操作して、テロメアを修復補充していると考えられます。
 
テロメラーゼの働きをコントロールすることができるようになれば、ガン細胞の増殖を抑えたり、ガン細胞を正常細胞に変換することも、また、正常な細胞の寿命を延ばすこともできるようになる可能性さえもあります。
 
       体の老化は2025歳からはじまっている
       細胞分裂の回数が制限されているから生物には寿命がある
       科学が進歩すれば寿命は画期的に延びる可能性がある
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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≪ビタミンB12の老化防止効果≫
ビタミンB12は、悪性貧血等に優れた効果があることは以前から知られていましたが、最近、傷ついた神経繊維の修復や神経の伝達物質の合成に関与していることがわかってきました。

従来、一度死滅してしまった脳細胞は、再生不可能とされてきましたが、近時、ビタミンB12によって、再生されることがわかってきました。
それが、末梢神経障害や認知症の治療に有効である事から、俄然注目を浴びるようになってきました。

東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者は血液中にビタミンB12が少なくなっています。
そこで、認知症患者にビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽快するケースが多くみられるとの事です。

今や人口の4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えるに至ったのは、医療技術が飛躍的に向上した結果ですが、残念ながら、脳に関する医学がそれに追いついていないことも事実でしょう。

老齢化が進むにつれて、感情の起伏が少なくなる、いわゆるボケ症状が見られるケースが増えています。

これは、脳が萎縮する為に起こることで、同じように老人認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー症候群も、脳全体が萎縮して、大脳皮質に変化が起こることによります。

脳の萎縮を防止するためには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行なわれなければなりません。
ビタミンB12は、この蛋白合成と核酸合成の両方に役立っています。
 
ビタミンB12について