
筋力は年をとってもふやせる
年をとると筋力が落ちるのは、筋肉を構成する筋繊維の大きさが萎縮することと、その筋繊維数が少なくなるからです。
筋繊維の大きさは30~35歳でピークに達して、その後ゆるやかに減少しますが、60歳前後まではほとんど変わりません。
60歳以後に大きく減少します。
筋繊維には速筋(瞬発力を発揮する筋肉)と遅筋というものがありますが、大きく減少するのは速筋のほうで、遅筋(持久力を発揮する筋肉)のほうは比較的保たれます。
高齢になるほど、速い動作ができなくなったり、大きな力を出すことができなくなるのです。
筋繊維数の減少は、25歳をピークにして65歳までの40年間で約25%減少し、それ以降80歳までの15年間で、さらにその25%減少するといわれています。
つまり、65歳まではゆるやかな減少ですが、それ以降になると減少の速度が速くなるのです。
そのまま放っておけば、年とともに筋力は落ちることになります。
しかし、高齢になっても筋力は鍛えれば、強くなるのです。
60~72歳を対象にして12週間の筋力トレーニングをした結果、大腿部の筋肉の面積が11.4%増加し、最大膝屈曲筋力が170%に、膝伸展筋力が227%に増加したという報告もあります。
ことに肥大したのは、遅筋よりも速筋で、衰えやすいほうの筋繊維が大きくなったのです。
高齢になっても、三ヶ月程度、筋力運動を続ければ、筋力はふえるのです。
筋力は80代になっても、いやいくつになっても鍛えてふやすことができるともいわれます。
健康を維持するためには、自分の体力に応じて、筋力を維持するようにすればいいのです。
筋力を高めるためには、負荷をかけなければなりません。
高齢になるほどその負荷の調整は微妙で、それぞれの体力に応じて計画的、定期的に行う必要があります。
50代をすぎたら、ことに気をつけたいのは、まず下半身の筋力を衰えさせないようにすることです。
太ももの前面の筋肉である大腿四頭筋を鍛えることが大切です。
太ももの後ろよりも前面の筋力が衰えやすいからです。
この筋肉は、普通に歩いていたのでは、なかなか鍛えられません。
脚を上げる筋力ですから、できるだけエレベーターやエスカレーターを使わずに、階段を上がることによって日常生活でも鍛えることができます。
さらに、腹筋、背筋、尻の筋肉(大臀筋)、太ももの骨と背骨をつなぐ腰の筋肉(大腰筋)なども大事です。
これらの筋肉も、歩くだけではなかなか鍛えられません。
よくご存知のように、筋肉は負荷をかけた運動をして一度損傷して回復して大きくなります。
その回復時間は年をとればとるほど遅くなりますし、人によって違います。
トレーニングの頻度や強度は、無理をしないことです。
① 筋繊維の数は25歳をピークにして40年間で25%、65歳から80歳までの15年間でさらにその25%減少する
② 高齢になっても三ヶ月間筋力運動を続ければ、筋力を増やすことができる
③ 年をとったら、筋力トレーニングは決して無理をしてはいけない
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
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≪ビタミンB12で脳の機能低下防止と対策!≫
筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が、正常に働くためには、いくつものビタミンB群の仲間が必要です。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてはくれません。
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
熟年の人達が正確で、いろいろな状況下で“成熟した”判断を行い、好ましい結果を得ることができるのは、そのためであろうと思います。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12であります。
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
ビタミンB12について