高齢者の体力は、「素質」+「気力」+「環境」で決まる

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高齢者の体力は、「素質」+「気力」+「環境」で決まる
 
日常的に、ウォーキングなどの有酸素運動や筋力運動をするなど、どのくらい体を動かすことをしているかどうかで、老いない脳をつくれるか、老いない体をつくれるかが決まってきます。
 
そのときに問題になるのは気力です。
体を動かそうという気がなければ億劫になるものです。
ことに年をとればとるほどそうです。
最近は脚、腰など整形外科で手術をしても、手術後すぐにリハビリをはじめます。
早い場合などは、手術の翌日から少しずつ動かすようにさせます。
 
入院してベッドで寝ていたらすぐに筋肉が落ちますが、それを元のところまで回復させるのは非常に大変です。
年をとればとるほど、なかなか元にはもどせなくなります。
高齢者が骨折をして何週間も動けないと、そのまま歩けなくなってしまうのは、骨折が治っても回復しないからです。
 
ですから、早期のうちにリハビリをするのです。
 
リハビリを行うときには、気力が大切です。
若いうちは早く元通りに動けるようになりたいと、頑張ることができます。
 
しかし、年をとると、気力もなえてくるものです。
「もう年だから、いいや」といった気持ちになると、「何もこんな痛い思い、大変な思いをしてまで、なぜこんなことをやらなくてはいけないのか」などと、頑張ろうとする気力も湧きません。
 
しかし、動けなくなり車椅子生活になったり、寝たきりになったりしたら、ますます筋力は落ちます。
最大酸素摂取量もどんどん低下して、体だけでなく脳の血流も悪くなります。
しかも動けないので刺激もない生活で、認知症になる危険性も高くなります。
 
現役中であれば、「早く仕事に復帰しなければ」と思えば、早く治そうという気力がわいてきます。
しかし、定年後で仕事がなくなると、そうした気力が起こらなくなることがあるかもしれません。
ことに男性がそうです。
 
女性は、家事もあれば、子どもや孫の世話もしなくてはいけないという、自分が必要とされている環境があるからでしょう。
高齢になっても、早く病気を治そう、いつまでも体を丈夫に保ちたいという気力は、女性のほうが強いようです。
 
気力が出てくるかどうかは、環境も大きいものです。
家族など周囲の人たちの励ましや、周囲の人たちが頑張ってリハビリをしているのを見れば、「私も」とやる気力も起こるものでしょう。
 
もともとその人の体力も大切ですが、さらには気力、環境もリハビリなどの場合には、大きな要素になります。
 
そういう意味では高齢者にとっては、その人の体力は、「素質(もともとの体力)」プラス「気力」プラス「環境」によって決まってくるということもいえます。
 
       動けなくなると認知症になる危険が高くなる
       まずは体を動かそうとする気力が大切
       人から必要とされる気持ちが「やる気」を引き出す
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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≪ビタミンB12で脳の機能低下防止と対策!≫
 
筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が、正常に働くためには、いくつものビタミンB群の仲間が必要です。
筋肉や神経を動かすエネルギーをつくるのがB1神経伝達物質の生成にはたらくのがB6、そしてB12の役目は、神経細胞内の核酸たんぱく質などを合成したり、修復することにあります。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてはくれません。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
熟年の人達が正確で、いろいろな状況下で“成熟した”判断を行い、好ましい結果を得ることができるのは、そのためであろうと思います。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12であります。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12について