脳の働きと老化

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脳の働きと老化
 
人は誰でも老いていきます。
しかし、老化のスピードが速い人と遅い人のちがいはどこにあるのでしょうか?
 
ひとくちに「老化」といいますが、「老化」を定義するのは案外難しいものです。
 
人体の老化現象を考えてみますと、次の3つの事実があげられるように思います。
 
     老化は、非可逆的である。
一度起きた老化現象を元に戻すことはできません。
したがって予防するしかないということになります。
 
     老化には個体差がある。
老化には個体差が大きく、25歳の場合で±(プラスマイナス)2年、つまり若く見える人は23歳に、老けて見える人は27歳に見えるとされています。
35歳では±3年、45歳では±4年、55歳では±6年、65歳では±7年、80歳では±10年といわれています。
これにしたがえば、高齢になるほど、若々しく見える人と老けて見える人の差が大きくなり、80歳代ではその差が最大20年にも達することになります。
 
実際には体質なども関係すると思いますが、気持ちを若々しく保ち、前向きな考え方を持ち、すばやく行動すれば、若々しく見えますし、また実際にそういう人は身体も若々しいものです。
つまり「老けこまない」ということです。
 
     同一個体でも臓器により老化に個体差がある。
これは最も重要なことです。
目や歯、卵巣などの臓器では老化に個体差がありません。
一定の年齢に達すると歯が少なくなったり、老眼や白内障が出現したり、あるいは50歳前後で例外なく閉経が起きます。
 
一方で、脳や血管(動脈)は、老化に個体差が存在する代表的な臓器です。
 
この②と③から、脳の老化を遅らせること、認知症の発生を予防することが可能になります。
 
では、改めて脳の働きを考えてみましょう。
 
脳は、外部からの刺激を受け取ります。
つまり視覚や聴覚、味覚、触覚などの「インプット(入力)」です。
脳はこれらのインプットに対して、何らかの判断を行って反応します。
これが「アウトプット(出力)」です。
 
脳はトレーニングをすれば、年齢にかかわらず能力を伸ばすことが可能であることがわかっています。
私たちの脳は、インプットとアウトプットをセットで行ってこそ十分に働いたといえますが、脳の老化を遅くするためにとりわけ重要なのがアウトプットなのです。
「ボケる人、ボケない人の生活習慣 より」
 
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筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が、正常に働くためには、いくつものビタミンB群の仲間が必要です。
筋肉や神経を動かすエネルギーをつくるのがB1神経伝達物質の生成にはたらくのがB6、そしてB12の役目は、神経細胞内の核酸たんぱく質などを合成したり、修復することにあります。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてはくれません。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
熟年の人達が正確で、いろいろな状況下で“成熟した”判断を行い、好ましい結果を得ることができるのは、そのためであろうと思います。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12であります。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働きます。
また、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
ビタミンB12について