認知症の予防

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認知症の予防
 
認知症は、脳そのものの老化と脳の血管の老化によって出現します。
 
脳と脳動脈の老化は、個体差が大きいことから、老化を防ぐ(遅らせる)ことが可能である。
 
脳血管性の認知症、そしてアルツハイマー病それぞれについて、どうすれば予防できるかを説明します。
 
(1)  脳血管性認知症の予防
 
脳血管性の認知症を予防するには、脳梗塞を予防することです。
そして脳梗塞の原因は、脳動脈硬化がほとんどですので、この脳動脈の硬化を抑えることが大切です。
 
動脈硬化を抑える≫
 
動脈の壁は3つの層からなっています。
内膜・中膜・外膜です。
動脈硬化が起きると、さまざまな原因で動脈の壁が厚く、硬くなります。
そして内膜・中膜・外膜の3つの層の形が乱れ、内腔が狭くなります。
 
動脈硬化は粥状硬化と中膜の石灰化などに分けられますが、脳の血管障害としてとりわけ問題になるのが粥状硬化です。
動脈の内膜には脂肪や血液中の物質などが付着・蓄積しています。
これは直接血液が通る内膜の表層だけではなく、中膜にも見られるものです。
 
脂肪分を主とした沈殿物や内膜の変化したものが混じり合い粥状に見えることから、粥状物(アテローム)と呼ばれます。
 
こうした動脈の粥状硬化が起きるのは、動脈の壁に含まれている脂肪分が年齢とともに増えるからです。
コレステロール中性脂肪、燐脂質などさまざまな脂肪が増えるのですが、コレステロールの関与が一番大きいといえます。
 
一般に、動脈の内側の膜は加齢とともに厚くなっていきます。
胎児の頃から、内膜は徐々に厚くなり、70歳になると赤ちゃんの67倍にも厚くなります。
特に最も顕著な腹部の動脈では、50歳で赤ちゃんの24倍の厚さに達します。
脂肪分は、内膜の厚く太った部分に限ってくっつく性質を持っています。
 
脳の動脈硬化は、2030代になるとその土台ができあがります。
この年代で、厚く太った内膜の部分に筋肉細胞から変化した繊維を作る細胞が出現し、内膜の深い部分が強固な線維となり厚みを増していくのです。
いいかえれば、2030代で動脈硬化は着実に始まっているのです。
 
血液中に脂肪が多く、それに高血圧が重なりますと、動脈は急速に硬化します。
最大血圧が160mmHgを超えると、脳の動脈は著しく硬化します。
常時、このような状態ですと、90%の人に動脈硬化が起きます。
また、最大血圧が200mmHg以上ある場合、100%脳の動脈硬化が出現すると考えて間違いありません。
 
なお、最小血圧が90mmHgを超えた場合にも脳の動脈硬化が始まります。
90mmHg以下の場合は、それほど変化が見られません。
 
動脈硬化は、動脈壁に脂肪分が沈着することが主な原因で起きますから、血液中の脂肪が多ければ多いほど沈着しやすくなります。
動脈硬化については、血圧とコレステロールが大きな役割を果たしているのです。
 
一般的には、低血圧の人は普段から顔が青白く疲れやすいので、血圧を気にする傾向が強いようです。
逆に血圧の高い人は、何かの症状がでない限りは、あまり気にすることがないのです。
 
検診で高血圧だった患者さんに、降圧剤の服用をおすすめしても、「降圧薬は服用したくない」と断る方が少なくありませんでした。
降圧薬は一度飲み始めると、一生服用しなければならない…ということが問題のようです。
 
降圧剤にも、もちろん副作用や禁忌があります。
しかし、徐々に降圧剤を減らしながら、食生活を改善していけば、最終的に飲まなくてもよくなることがあります。
できれば、医師のすすめにしたがって降圧剤を服用していただきたいと思います。
 
また、高血圧のコントロールは、認知症だけではなく、他の病気の予防にもなります。
コレステロール血症についても、現在は種々の薬剤がありますので、これらの服用と食生活の改善よって、問題は解決できるものと思います。
 
(2)  アルツハイマー病の予防
 
アルツハイマー病の予防には、脳の老化を防ぐこと=老化を遅くすることが重要です。
 
なお、長いあいだ、アルツハイマー病は、脳血管性認知症のように高血圧や脳動脈硬化などとは関連のない、変性性の疾患であると考えられていました。
 
しかし、最近はメタボリックシンドローム(その構成因子である糖尿病・高血圧など)アルツハイマー病に密接な関連があるとが報告されてきております。
「ボケる人、ボケない人の生活習慣 より」
 
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隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。

<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
このような様々なはたらきがあります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、水溶性(水に溶ける)ですが、脂肪成分となじみやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い出すことにより、元どおりの健全なものに復元し、また、切れた部分があればつなげて、修復作用を発揮します。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
ビタミンB12について