覚醒を邪魔する「疲労」とは何か

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覚醒を邪魔する「疲労」とは何か
 
冴えた脳を阻害するものの代表的な要因は「疲労」です。
しかし、脳の疲労を考えるとき、筋肉の疲労とは異なる問題を考慮に入れる必要があります。
それがサーカディアン・リズムという生体リズムの存在です。
 
一日仕事をすれば疲れます。
たくさん運動をすれば疲れます。
わずらわしい人間関係でも疲れます。
 
私たちは「疲労」とは何かを体験的によく知っています。
 
厚生労働省の調査によると、日本人のおよそ3人に1人が慢性的な疲労を感じています。
 
しかし、あらためて「疲労とは何か」と考えると、とたんにむずかしくなります。
なぜなら、疲労は個人差が大きいからです。
同じ一定の仕事をしてもAさんは疲労し、Bさんはほとんど疲れない、というようなことが実際にあります。
 
また、肉体的(筋肉)疲労と精神的(神経)疲労とでは疲れ方も異なります。
疲労の原因は複雑多岐にわたり、生活習慣の違いも大きく出てきてしまいます。
 
このように疲労には主観的な側面が強いため、正確に定義することはむずかしいのです。
「身体的あるいは精神的負荷を連続して与えられたときに見られる一時的な身体的・精神的能力の質的・量的低下」
「くり返し力を出したり運動した結果、作業能力や運動能力が減退すること」
などと説明されたりします。
 
アメリカ連邦航空局に提出された「バテル報告書」は、パイロットの疲労に関する科学的研究結果を要約した報告書です。
そこには、疲労はこのように記されています。
「眠気を含む、複数の潜在的要因の結果として生じる、人間のパフォーマンス能力の低下」
そして、眠気は、
「空腹や渇きのように人間の基本的な生理的要求の一つである。睡眠を制約すれば、眠気は増加する。また、空腹や渇きが飲食によって解消されるのと同様に、眠気も睡眠によって解消される」
と書かれています。
 
 
※サーカディアン・リズム(概日リズム)
体内時計という言葉を聞いたことがあると思います。
すべての生物は約24時間周期のリズムを持っているということです。
 
この生体リズムの基本となるものは、細胞の持っている時計遺伝子です。
全身の細胞にあり、それぞれが自律的に約24時間のリズムを刻んでいます。
 
24時間とは、ご存知のとおり、地球の自転に合わせた周期です。
人間はこの周期が約25時間と1時間長いので、太陽光を浴びるなどをして修正しています。
 
生体リズムの代表的な例としては、睡眠があります。
朝起きて夜眠くなるのはこのリズムのためです。
そのほかに体温変動、血圧、ホルモンの変動などがあり、これらの生命を維持する働きは1日の周期で変動しています。
この生体リズムを医学的に「サーカディアン・リズム(概日リズム)」といいます。
「一生衰えない脳のつくり方・使い方 より」
 
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どのビタミンも老化を防止しますが、とくにビタミンB類はもっとも重要なビタミンとされます。
ビタミンB類には、ビタミンB1、B2、B6、B12ナイアシンパントテン酸、そして葉酸などが含まれています。
ビタミンB類は、1つが欠乏しているときには、他のビタミンも欠乏していることが多いようです。
 
食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
 
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働きます。
また、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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