脳にも「守り」と「攻め」がある
脳にも「守り」と「攻め」がある
脳には「状況依存性」という性質もあります。
だれでもより本能的なレベルでは「現状に甘んじていたい」と思っています。
新しい変化に対応するのは、やはりそれなりに面倒なことです。
楽ではありません。
自分に対して楽をすることを許していると、しだいに、いまいる環境から一歩も離れたくない、家族や親しい知人誰とも関わりたくない、新しいことは何もしたくない、と強く思うようになっていく。
同じルーティーンのなかで生活していると、やがて、脳機能も硬直化していきます。
そうならないためには、日常の生活のなかに「変えていく部分」を持つことが大切です。
行き先のルートを調べる、支払いの振り込みをする、お礼のハガキを出す、初めての飲食店に行きメニューを選ぶ……日々の雑多な活動のなかには、さまざまな脳機能を訓練させる機会が含まれています。
ふだんから脳に小さな変化を体験させていくようにしましょう。
気をつけていただきたいのは、変化させるものと変化させないものの区別です。
サーカディアン・リズムに沿った生活サイクルはなるべく変えずに一定にしておくべき、というのが大前提です。
起床時間や就寝時間が日々バラバラだと、生体リズムの波が崩れてしまい、自分の脳がいつ冴えるのか、いつ眠りたいのか、まったくわからなくなってしまいます。
変わらない部分(守り)と小さく変えていく部分(攻め)――人生にはこの両方が必要です。
社会で活躍できる人でありつづけるには、脳の「守りと攻め」に気を配りましょう。
※サーカディアン・リズム(概日リズム)
体内時計という言葉を聞いたことがあると思います。
すべての生物は約24時間周期のリズムを持っているということです。
この生体リズムの基本となるものは、細胞の持っている時計遺伝子です。
全身の細胞にあり、それぞれが自律的に約24時間のリズムを刻んでいます。
24時間とは、ご存知のとおり、地球の自転に合わせた周期です。
人間はこの周期が約25時間と1時間長いので、太陽光を浴びるなどをして修正しています。
生体リズムの代表的な例としては、睡眠があります。
朝起きて夜眠くなるのはこのリズムのためです。
そのほかに体温変動、血圧、ホルモンの変動などがあり、これらの生命を維持する働きは1日の周期で変動しています。
この生体リズムを医学的に「サーカディアン・リズム(概日リズム)」といいます。
「一生衰えない脳のつくり方・使い方 より」
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どのビタミンも老化を防止しますが、とくにビタミンB類はもっとも重要なビタミンとされます。
ビタミンB類は、1つが欠乏しているときには、他のビタミンも欠乏していることが多いようです。
食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働きます。
また、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
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