やせている人ほど要介護になりやすい
現在の「健康常識」では、肥満こそが諸悪の根源のようにいわれています。
確かに、やせている人よりも、太った人のほうが持病が多いということはいえます。
新潟県のある町を対象にして、やせている人と太った人のそれぞれについて、持病や既往歴の有無、そして、その後に要介護になったかどうかの有無を比較した研究があります。
それによると、やせている人は太った人にくらべて、糖尿病や高血圧は少なく、脳卒中や心臓病の既往歴も少ないという結果が出ました。
ここまではどなたも納得することでしょう。
ところが、そうした人たちを追跡調査していくと、最終的に要介護状態になるのはやせている人のほうが多いことがわかったのです。
つまり、高齢者になってみると、太っている人のほうが元気に暮らし、やせている人のほうが介護費用を使っているというわけです。
これはどういうことでしょうか。
それは、要介護になる理由を考えてみるとわかります。
その理由は、大きく分けて二つあります。
これは、太った人に多い傾向といってよいでしょう。
それに対して、もう一つの理由として、何年もかけてゆっくりと障害が進んで、しまいには寝たきりになるものがあります。
足の筋肉が弱って歩けなくなったり、体力や認知機能が落ちていったりする場合がこれに当たります。
低栄養をおもな原因とする、いわば典型的な老化の症状であり、実はこうした症状はやせた人に多いのです。
つまり、要介護になるパターンには、太っている人がなりやすいタイプとやせている人がなりやすいタイプの二つがあり、それぞれに別のメカニズムが働いているというわけです。
比較的若いうちに要介護になるのは、前者のパターンでしょう。
しかし、いわゆる後期高齢者(75歳以降)になると、やせ型の要介護の人が増えてくるのです。
結局は、カロリーの過剰摂取による太りすぎもよくないし、カロリー不足によるやせすぎもよくないということですが、こと日本の高齢者に限っていえば、カロリー不足のほうが問題が大きいというわけです。
もちろん個人差はありますから、高齢者でも過剰摂取に注意すべき人はいます。
でも、平均すれば不足を問題とすべき人のほうが多いのです。
にもかかわらず、世の中ではメタボ対策ばかりが強調されすぎているために、高齢者もやせなくてはいけないという強迫観念に襲われて、かえって老化の促進や健康寿命の短縮を招いてしまっているのです。
「50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
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ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸。
ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状が出ることは事実です。
さらに、ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経の働きを助けます。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると神経過敏などの症状が起こりやすくなるのです。
脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
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残念ながら現代社会に生きる私たちは、栄養的に見るとかなり厳しい環境に生きています。
まず、野菜は昔と変わらぬ色や形をしていますが、栄養価は、ずいぶん非力になっています。
今のニンジンは、50年前の8分の1から20分の1にまで低下していると言われています。
化学肥料や農薬などが使われ、ハウス栽培によって旬がなくなり、また、収穫後の輸送・陳列・保存、こうした時間の経過、さらに調理することで栄養価が消失します。
果実なども栄養価が未熟なまま出荷され、また畜産物や海産物も例外ではありません。
私たちは今の環境の中で最善の方法を模索するしかありません。
大切なのは、毎日、ちゃんと噛んで食べること。
よく噛んで食べることは脳の発達によい、ということは科学が証明しています。
まずは食事・生活習慣を見直し、「栄養価の補充」としてサプリメント(栄養補助食品)を活用してみてはいかがでしょうか。
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