口を開けば、心も開く

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口を開けば、心も開く
 
高齢期になると、「食」の問題は、経済的な点だけでなく、買い物や食事に行く体力の点にもあります。
どんな人であっても、自分で出かけるのが大変になる時期は遅かれ早かれ必ずやってきます。
 
いざというときに、頼れる家族や友人が近くにいればいいのですが、そうでない場合にはどうすればよいでしょうか。
 
たとえば、食事を自宅に宅配してくれる配食サービスを利用するのはいかがでしょう。
すでに出来上がった食事だけてなく、材料だけを配達してくれるサービスもあります。
 
1ヵ月先ぐらいまでのメニューが何種類か決まっていて、そのなかから自由に選ぶことができます。
電子レンジでチンするだけでいい食事は、認知機能が多少低下して料理がうまくつくれない人にも適しています。
また、食材とともに調理手順の解説を同梱したものは、料理のレパートリーを広げるいい機会になります。
配食サービスというと、昔の学校給食を想像する人がいるかもしれませんが、このごろは材料も新鮮で、細やかなサービスが売りとなっています。
 
最近では、外食産業のなかに、配食サービスに乗り出す企業も出てきました。
低栄養を防ぐ方法として、配食サービスは一つの解決法になりうるといってよいでしょう。
 
もちろん、配食サービスを利用したからといって、それだけで高齢者の孤立や低栄養問題が解決するわけではありません。
 
日本で最初の配食ボランティアは、1983年に事業を開始した東京・世田谷のNPO「老人給食協力会ふきのとう」ですが、その代表の方が印象的なことをおっしゃっていました。
 
それは、「食は、心を開かせる作用があるのではないか」ということばです。
食事をしていると、誰もが口を開くとともに心も開いて、自然と会話がはずむもの。
そのために、配食自体よりも、みんなで集まって一緒に食べることを目指したのだといいます。
 
同感です。
ふだんでも、心の通じ合った人は食事を一緒にとりますし、逆に食事を一緒にとることで、昔から「同じ釜の飯を食った仲」ということばがあるように、心を通じ合わせることができるのです。
 
東京・江戸川区の総合人生大学では、毎年社会人が100人ほど入学し、34コースに分かれてそれぞれに2年間学びます。
卒業したあとは江戸川区民として何かしらの社会貢献をすることが期待されています。
そこで閉じこもりと低栄養について話をしたことがあります。
 
「これからは地域単位で会食をすることが望まれているのでないでしょうか」
 
そういう話をしたところ、第一期、第二期の卒業生が、地元の団地や商店街で人を集めるサロンのようなものをつくったのです。
上手だったのは、人を呼ぶために「昼食が出ます」と宣伝したことでした。
 
なかに料理が上手な人がいたので、出席者の会費で材料を揃えて調理して出したところ大好評。
たくさんの人が口コミで集まってきて、今ではかなりの規模になったといいます。
 
もちろん、それだけで孤立老人の栄養状態が改善されるわけではないでしょうが、そういう機会を通じて高齢者が地域に顔を見せ、若い人も含めて、お互いがつながっていくというのはいい試みだと思います。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
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近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
水溶性ビタミンであるビタミンB12は、最終的には排泄されますが、それまでの間、体内でさまざまな働きをします。
ビタミンB12場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、吸収率が増す効果)により、吸収・利用率が高まります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
また、人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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