老いじたくは、豊かな食卓から

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いじたくは、豊かな食卓から
 
人が多く、さまざまなお店がたくさん集まっている都会では会食は簡単にできますが、地方の場合はそうはいきません。
 
たとえば、私の両親が住んでいる四国では、徳島や松山といった地方都市は別として、ちょっと町から離れると、周囲も高齢者世帯ばかり。
食べに行くところも買い物に行くところもとても少ないのです。
 
二人暮らしでは、料理をするのもおっくうになって、食事はありあわせのもので済ませることが多いらしく、両親の低栄養が心配になってきました。
 
そこで、東京で調理した食べ物を、定期的に両親のもとに送ってみようということにしたのです。
以前から、食材となるジャガイモやサツマイモ、野菜、ジャコなどを両親から送ってもらっているので、そういうものを使って、ご飯の進む栄養のある料理をつくり、冷蔵や冷凍の宅配便で何度か送ってみました。
 
とくに意識したのは、肉類をはじめとするタンパク質です。
たとえば、鶏肉を縛ってボイルしたものや、肉に味噌で下味をつけたものを送って、向こうでは焼くだけにするといった工夫もしました。
 
すると、これが好評だったのです。
それてまた、電話をしたときにも共通の話題ができて、いいコミュニケーションになりました。
 
また、年に1回は田舎に帰るのですが、そういうときはやはりスペアリブのような動物性タンパク源になる料理をつくったり、食欲のわくちょっぴり辛い洋風のサラダをつくったりして、両親の栄養不足を解消するようにしています。
 
もちろん、いつもそういった料理を食べる必要はありませんが、ときにはふだん口にしないようなものを一族郎党が揃ったところで食べることで、栄養摂取だけでなく気分転換にもなるようです。
 
足腰がしっかりしていて認知機能も低下しない状態で、両親にいつまでも元気で長生きしてもらうことは、本人たちにとっていいのは当然ですが、子どもや孫にとってもありがたいことです。
 
両親がいつまでも元気でいてくれさえするなら、料理をつくって宅配便で送ったり、年に1回くらい顔を出して栄養のある料理をつくったりすることくらいは、たいした面倒はありません。
 
家族の絆が弱くなってきているなかで、やがて高齢者は足腰が弱って料理もつくれなくなっていきます。
そんなとき、血縁や地縁のある若い世代が、少しでもいいから応援してあげることは、日本の将来にとっても大事だと思うのです。
 
最後に、東京都健康長寿医療センター研究所で作成した「老化防止を目指した社会参加指針」を紹介しておきましょう。
 
1         毎日1回は外出しよう
2         家庭での役割を持とう
3         地域参加・社会参加の場を持とう
 
若い世代の協力や、自治体のサポートももちろん必要不可欠ですが、健康長寿を延ばすには、何よりも自分自身の意識改革が必要です。
ぜひとも、この3ヵ条を守って、みなさんも元気老人を目指していただきたいと思います。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
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近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
水溶性ビタミンであるビタミンB12は、最終的には排泄されますが、それまでの間、体内でさまざまな働きをします。
ビタミンB12場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、吸収率が増す効果)により、吸収・利用率が高まります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
また、人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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