「A欠乏脳」-8.酒はOK! タバコはNG!

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「A欠乏脳」-8.酒はOK! タバコはNG!
 
 「A欠乏脳」の方は、適量の酒はOKですが、タバコはNGです
 
「フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)」という言葉を、ご存じでしょうか。
 
フランスに住む人々は、他の西欧諸国の人々よりも、バターや肉類などから飽和脂肪酸を大量に摂取しています(あの、たまに食べる脂の塊のフォアグラにさらにバターソースをたっぷりかけた一皿を思い出してください)
それなのに、フランス人は心臓病での死亡率が、ヨーロッパで最下位なのです。
 
ちなみに近隣諸国と比べると、フランスの心臓病による死亡率はイギリスの3分の1以下、ドイツの約2分の1という数字になっています。
 
高カロリー・高飽和脂肪酸の摂取は、心臓病など生活習慣病のリスクを高めることは常識です。
それなのにフランス人だけ、この常識が当てはまらない。
 
 これが「フレンチ・パラドックス」と呼ばれる謎です。
 
 この謎を解く鍵として、彼らが日常的に飲んでいる赤ワインが注目されています。
適量のお酒(赤ワイン)が「血液をサラサラ」にする効果があり、心筋梗塞脳梗塞などの原因となる動脈硬化の予防によいといわれているのです。
フランス人は、悪しき食生活のハンデを飲酒でカバーしているのです。
酒で、脂を洗い流しているわけです。
 
 最近の疫学研究では、適度の飲酒はボケ予防に良さそうであるという結果も出てきています。
 
 ワインの名産地、フランスのボルドーで行われた住民調査では、65歳以上の高齢者を対象にして、毎日の赤ワインの飲酒量と認知症の発症率との関係が調べられました。
その結果ですが、赤ワインを1日にグラス34(250500ml)飲んでいる人は、まったく飲まない人と比較して、認知症の発症率がなんと4分の1に抑えられていたのです。
 
ただし、ここで注意しなければならないのは、お酒の場合は人種によって、体や脳に対する最適量がかなり異なってきます。
 
日本人は世界と比較して、酒が弱い民族です。
日本人の酒飲みに比べると、欧米人や中国人の酒飲みの飲酒量は半端ではありません。
前述のボルドーの調査でも、なんと驚くべきことに、65歳で毎日赤ワイン500mlを飲み続けている人を標準的な人たちとして登録しているのです。
 
赤ワインが生活習慣病の予防に大きな効果があるのは、ブドウの皮に多く含まれるポリフェノールが関係している、という学説が有力です。
では、赤ワインの予防効果は、ポリフェノールによるものだけなのでしょうか?
 
フランスの街角では、45人のお年寄りが屋外のテラスで談笑している姿をよく見かけます。
テーブルの上には、赤ワインが入ったデキャンタを囲んで、オリーブオイルを使った料理やイワシの酢漬けなどが並べられています。
 
ボルドーの調査で、赤ワインを毎日34杯飲む人の成績がよかったのは、ポリフェノールの効果だけではなくて、ワインのつまみや友人と語らう楽しい時間、というプラスアルファの要素が大きく利いているのかもしれません。
 
一方のタバコは、がんのみならず、脳卒中や心臓病などの生活習慣病にとっても、諸悪の根源です。
しかし認知症に関しては、少し前までは「タバコを吸うと、認知症になりにくい」という学説があったのです。
その学説の根拠が実は、脳内エネルギー物質の「アセチルコリン」と関係しているのです。
 
アセチルコリンの化学構造は、タバコのニコチンと似ていて、脳内で働く場所も「ニコチン受容体」と呼ばれています。
そのため、タバコを吸うとアセチルコリンが活性化され、認知症が予防できる可能性があると考えられたのです。
 
しかし、その後の世界的規模の疫学研究で、タバコは認知症にとっても「百害あって一利なし」という結論になりました。
 
認知症アセチルコリンの不足だけで起こってくる病気ではありません。
動脈硬化や心肺機能などの衰えも、認知症を引き起こす原因となります。
タバコが他の病気と同様に認知症の危険因子であることは当然でしょう。
 
 適度の飲酒は健康長寿のエビデンス(根拠)あり!
しかし喫煙は百害あって一利なし!
 
自己診断⇒105日記事:ステップ2 あなたの脳に不足しているのは「A(アセチルコリン)」ですか?「S(セロトニン)」ですか?
「もの忘れとウツがなくなる「脳」健康法 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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