「S欠乏脳」-③隣町の銭湯とレトロな食堂への旅
しかし「S欠乏脳」の方は、「A欠乏脳」のような行き当たりばったりのひとり旅は避けましょう。
交通手段やホテルの手配で、移動中の疲労やアクシデントを回避するために、事前に綿密に計画された「省エネ旅行スタイル」が最適です。
ご自分で計画するのも疲れるなら、信頼できる友人や旅行代理店に任せるのも一案です。
あるいは、パッケージツアーでもかまいません。
「S欠乏脳」の方の旅行の目的は、あくまでも「癒し」にあるのですから。
移動も、飛行機で長距離などは極力避けてください。
電車やバスを何回も乗り継いで……というのも危険です。
遠くに行けば癒されるというものではありません。
ならば、いっそのこと視点を変えて、電車で15分の隣町のホテルの大浴場を旅行の目的にしてもよいのです。
あれもこれもと欲張らず、1回の旅行でひとつの目的と対象に絞ることが大切です。
歴史と伝統の世界遺産、太古から変わることのない悠久の大自然、高級リゾートホテルのアロマトリートメントやスパ、隠れ家的温泉の露天風呂、16世紀から続くフレンチ・レストラン「トゥールダルジャン」の支店(銀座の寿司屋でもいいですが)……。
しかし、だいたいそういった場所は疲れます。
こういったところを目指す場合は、段取りを他人に丸投げしましょう。
「S欠乏脳」の方がひとり旅をするなら、駅の近くにあるひなびた銭湯、昭和レトロな雰囲気の図書館での読書、オムライスが美味しい和風洋食屋、モツ煮込みが旨い懐かしい居酒屋、自分の生家、通った小学校のある町……。
こういうところを目的にするのがよいでしょう。
これでも立派な旅です。
この旅行法は焦点がひとつですから、決断が大切です。
あれも、これもではないので、「今、一番何を見たいのか?」「一番何をしたいのか?」に集中して、自分を見つめ直す必要があります。
次回のテーマは何にするか、ご自分だけの穴場を探しながら、ワクワク数ヵ月を過ごすこと自体、大きな癒しになってくれるでしょう。
世界遺産や高級リゾートに匹敵する空間が、意外と近場に!
「もの忘れとウツがなくなる「脳」健康法 より」
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木枯らしと孤独が骨身に染みる…秋が深まるとなんとなく悲しい気持ちになるといわれていますが、はたして秋の物悲しさには医学的な根拠はあるのでしょうか?
なんと季節の変化が引き起こすうつ病が存在するというのです。
エアコンの使用が一般的になり夏に体が冷えてしまうなど季節の変化に対応しにくくなった現代人。
季節性うつは自然な生活リズムを崩してしまった人がかかりやすい病気なのだそうです。
「なかでも10月から3月頃にみられる“冬季うつ”は、過食、過眠なども主な症状としてあげられます。秋になり日照時間が短くなることで、メラトニンというホルモンの分泌に異常が起こり体内時計が狂ったり、神経伝達物質のセロトニンが減ることによる脳の活動低下が原因と考えられています」
「なかでも10月から3月頃にみられる“冬季うつ”は、過食、過眠なども主な症状としてあげられます。秋になり日照時間が短くなることで、メラトニンというホルモンの分泌に異常が起こり体内時計が狂ったり、神経伝達物質のセロトニンが減ることによる脳の活動低下が原因と考えられています」
うつ病は、今やサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
うつ症状の予防や軽度の場合の改善に役立つのは、ハーブの一種であるセントジョーンズワートです。
ビタミンB6は、かつお、まぐろ、さけなどの魚類、牛肉、鶏ささ身、レバーなどに多く含まれています。
ビタミンB12はレバーや魚介類に、葉酸はレバーのほか、菜の花、モロヘイヤ、春菊など緑の濃い野菜に多いです。
加えて、散歩など屋外で体を動かす機会を増やすと、気分のおちこみを軽減しやすくなります。
ただし、軽度のおちこみだけでなく、うつの症状がみられるときは、まず病院で検査を受け、治療と並行して、これらの食事療法を行ってください。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
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