自分の状況を正しく認識できない

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自分の状況を正しく認識できない
 
自分が現在置かれている状況を理解する能力を「見当識」といいますが、アルツハイマー病が進むとこの見当識に障害が出てきます。
 
今日が何月何日かわからない、いま何時かわからない、いまどこにいるのかわからない、どうして自分がその場にいるのか理解できない、といった症状が現れてきます。
専門的には「見当識障害」と呼ばれています。
 
そのほかに、臭いや味がわからない、約束しても実行できないといった症状も出てきます。
もっと進むと、これまで使っていた道具がうまく使えない、着衣ができない(着衣失行)、人の言っていることがわからないといった症状も出てきます。
 
このへんまでくると、さっき食べたばかりの食事の記憶がなくなる(短期記憶の喪失)だけでなく、古い記憶もなくなってきます。
 
「昔のことをよく覚えているから、認知症ではない」と思い込んでいる人もいますが、それは認知症の初期の症状だからかもしれません。
もしそうなら、病気が進むにつれて新しい記憶だけでなく、古い記憶も失われていくでしょう。
 
じつは、介護をする人がとても困るのは、そのように記憶が失われることよりも、行動面や心理面に現れる異常症です。
なかでも、徘徊は介護する側の大きな負担になります。
 
徘徊とは「あてもなく、うろうろと歩きまわること」というのが本来の意味ですが、アルツハイマー病による徘徊は、それだけではありません。
うろうろと歩き回っているうちに、帰りの道順がわからなくなり、家に帰れなくなることが多いのです。
 
このころには、そのほかに、薬の服用ができなくなったり、介護されることを拒否したりするといった症状が出てくることもあります。
この状態での車の運転はとても危険です。
 
アルツハイマー病がさらに進むと、何もしない(無為)、動こうとしない(無動)といった症状が著しくなり、ついには寝たきりになるところまで悪化してしまうこともあります。
それでも感情面は豊かに保たれていて、見守る側が驚かされたりします。
60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
京都大学医学部老年科の亀山教授によると、健康な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで、低下していたと報告しています。

ビタミンB12は、レバーなどの動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれていませんが、例外的に味噌や納豆のような発酵食品に含まれます。

ビタミンB12は、水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い流すことにより、復元し、また、切れた部分があれば、修復作用を発揮します。

ビタミンB12は、核酸とタンパク質の合成に関わり、脳や神経系との関わりが深く、また、ビタミンB6葉酸とともに動脈硬化の原因となるホモシステインを減らす働きがあります。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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