考える習慣が好奇心を育てる

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考える習慣が好奇心を育てる
 
財団法人ライフ・プランニング・センターには、75歳を越えてからパソコンを習いに通ってくる新老人の方が大勢います。
そこでは、一年先に入った人が、後から入ってきた人に教えるというシステムもできあがっていて、教える側も、教えられる側もぐんぐん、レベルアップしていくのです。
 
「機械はどうも苦手」と言って、最初は躊躇していた人でも、実際に始めてみると楽しいようで、パソコンを始めてから、表情が生き生きしてきたという人もいると聞いています。
 
ほかにも楽しいことはたくさんあるようです。
友人も増えるでしょうし、普段は口も聞かなかった孫との交流も生まれます。
孫が、「うちのおばあちゃん、すごいんだよ」などと友だちに自慢するようになれば、しめたものです。
 
高齢者は若い人に何かを教えることが重要ですが、ときには若い人たちといっしょに学ぶクラスメートのような関係を築くことができたら、理想的だと思います。
同じ時間を過ごし、高齢者も若い人も。ともに学び、教え合うことができます。
 
こうして学びながら、その知識や経験を自分のために使ったり、ボランティア活動に利用したり、バランスをとって柔軟に楽しく生きればいいのです。
人間は歳とともに枯れるのではなく、成熟するのです。
成熟に向かって、これからもいろいろな方面で学び、考える習慣を培っていくように努めたいものです。
 
考える習慣、学ぶ習慣、よく動く習慣、よく感じとる習慣、上手に休む習慣など、良い習慣はいろいろありますが、オスラーはこれらの習慣を分類するなかで、とくに考える習慣の重要性を説いています。
さまざまな現象を正確にとらえ、その奥にどういう原因やメカニズムがあるかを考えていくということが、若さの象徴である好奇心を育てるのです。
 
「どうしてこうなるのだろう」と疑問が生じたときは、それを放置してはいけません。
そんなときこそ、考えるチャンスなのです。
わからなければ専門家にたずね、説明を求めるくらいの積極性を持ちたいものです。
 
そして疑問が解消できたときの喜び……。
こういうことを自然に繰り返していると、やがて考えることが楽しくなります。
 
これは余談ですが、オーギュスト・ロダンの作品『考える人』。
あれは「考える習慣」を表象した彫刻だそうです。
芸術家として、さまざまな表現にチャレンジし、多くの恋愛に生き、激しい人生を貫いたロダンですが、彼もまた習慣の重要性について「考える人」だったということでしょうか。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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