良い習慣はあらゆる可能性の下準備

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良い習慣はあらゆる可能性の下準備
 
「家庭は習慣の場だ」
 
自らの著書『教育論』にこう記し、習慣は家庭で育まれるべきとの考えを公にしたのは、日本では福沢諭吉が最初だといわれています。
 
この教育論にのっとって考えますと、子どもたちに習慣を与える両親の責任は重大です。
昔の親が子どものしつけにやかましかったのは、こうした教えにも関係しているのでしょう。
今は、「勉強は塾で、しつけは学校で」と考えている人が多いように思えますが、これを昔の親たちが知ったら、さぞ驚くことでしょう。
 
イギリスの著述家サミュエル・スマイルズのこんな言葉も参考になります。
「人は幼少のときから良い習慣をつけることが肝要である。ただし、習慣となったものは終身、永続して変わらない。これはあたかも、樹木の皮に切りこんだ文字が、その木の生長に応じて、大きくなっていくようなものだ」
 
人には、幼いころから日常生活で繰り返される行動を、習慣として認識してしまう「くせ」のようなものがあって、子どものころに身についたそれは、生涯消えないという意味です。
 
となると、親はしつけを学校まかせにしていられません。
小学校に通う年齢まで子どもを放任しておいて、悪い習慣が身についてしまったら大変です。
良い習慣は、小学校に上がる前、家庭で育んでいかなくてはならないということです。
 
ただし、スマイルズの意見に全面的に賛成できない点があり、それは、「習慣は終身、永続して変わらない」という部分です。
 
スマイルズの言うとおり、良い習慣は、いったん身についてしまえば終身変わることはないでしょう。
むしろ、利息をつけながら、良い方向へと私たちを導いてくれます。
 
しかし、どんなに慣れ親しんだ習慣であっても、自分にとってマイナスであると気づいたら、それを正すことができるというのが私の考えです。
人間の意志はそんなやわなものではないはずです。
 
生まれたばかりの子どもは何の習慣も持たず、人生をどんなふうにも生きられる可能性を秘めています。
その可能性をどう伸ばすかは本人の努力次第なのですが、親としては、せめて良いほうへと方向づけぐらいはしておいてあげたいものです。
良い習慣を与えることは、子どものあらゆる可能性に対する下準備になると思っています。
 
親がいて、子どもがいて、そうした集団を家族といいます。
でも、ただ両親がいて、子どもが誕生すればすぐに家族になれるかというと、本当はそうではないのです。
 
お互いを思いやったり、助け合ったり、愛し合ったり、認め合ったり。
そういう環境のなかで、初めて家族の関係が育まれていくのです。
子どもに良い習慣を教えることは、親から子への愛情表現ということもできます。
 
「家族は育んでいくもの」
 
こういうことを多くの人が強く意識するようになれば、家庭はもっと居心地の良い場所になり、このところ頻発している親子をめぐる傷ましい事件や、少年少女の犯罪も減っていくのではないでしょうか。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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