物欲を満たすだけでは幸せになれない

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物欲を満たすだけでは幸せになれない
 
子どもたちが欲しがるものを買い与えることだけが、愛情ではないと思っています。
物欲を満たされても、子どもたちが幸せになるとは限りません。
人の気持ちがわからない子どもには感性が育たず、人と自分の喜びを分かち合うことも、悲しみやつらさをわかってもらうこともできず、むしろ孤独な人生を送ることになるかもしれません。
 
子どもには、思いやりを育む環境こそが必要です。
そして、それがどこでできるかというと、それは家庭にほかなりません。
 
そして、両親は子どもに思いやりを持って接しなければなりません。
それはものを買い与えることではなく、人の心がわかり、人の気持ちになってものを考えられるような子どもの感性を育てることです。
 
子どもは柔軟です。
いったん思いやりの心が生まれれば、あとは自然に豊かに心が育ちます。
そしてそれは、子どもに勉強部屋を用意したり、コンピューターを買い与えたりするより、ずっと大切なことなのです。
 
日本の子どもについて、アメリカの知人の奥さんから、こんな指摘を受けたこともありました。
 
「ホームステイで日本の高校生を三人あずかったことがありました。夕食のとき、家族六人と彼らと、一緒に食べようと思って、九人分のくだものを買ってテーブルの上に置いたら、テニスから帰ってきた三人がその大半を食べてしまったのです。
運動のあとでのどが渇いていたのだと思いますが、どうして自分の欲求を満たすことしか考えられないのでしょう。どうして家族みんなでという気持ちになれないのでしょうか。我が家では、私も夫も、子どもたちも、みんな彼らを家族の一員だと思っているのに……。これが、日本の今の家庭の教育でしょうか」
 
この話を聞いたとき、私の胸には強烈な痛みが走りました。
 
その高校生だけを責めることはできません。
今の子どもは、食べ物に不自由したことがないでしょう。
一人っ子も多いため、みんなで分けるという習慣がありません。
すべては、人を思いやることを教えなかった大人たちの責任なのです。
 
きっとこの三人の高校生たちは、一言注意を受けたのだと思います。
 
「家ではいつもしていることなのに、外国ではなぜこんなに叱られなければならないのだろうか」と、思ったことでしょう。
アメリカの友人に、高校生たちの行動が理解できなかったように、彼らもまた、友人の注意が理解できなかったことでしょう。
 
でも、高校生の感性は柔軟です。
これをきっかけに、彼らが人を配慮することを学んで帰国したと、信じたいのです。
生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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