病気は自分でつくっている

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病気は自分でつくっている
 
だれでも50代を過ぎれば、一つや二つ、体の具合が悪いところは出てくるから、健康をいやでも意識します。
 
しかし、2030代のころは、仕事の場面でも家庭生活でも何かと忙しく、すべてに懸命に取り組もうとしますから、自らの健康のことも忘れがちです。
また、多少の疲労感はあっても、症状としてあらわれるわけではありませんから、健康について考える必要性も感じません。
 
しかし、30代も半ばを過ぎたころになると、突然倒れることがあります。
たまたま受けた検診で高脂血症、心臓病、糖尿病、肝臓病との診断を受けたり、まれにはがんの疑いまであるといわれ、驚くことがあります。
 
自覚症状がないだけに、意外に思われる人がほとんどでしょう。
今まで元気で働き、無理もできたのに、いつから病気にかかっていたのだろうかと、疑問に感じるようです。
 
高脂血症とか心臓病とか、糖尿病、慢性肺疾患など、生活習慣病と呼ばれるものは、急に発症するものではありません。
遺伝的にこうした病気にかかりやすい体質の人もいますが、ほとんどの場合、若いころから日常の生活、つまり衣食住や運動の悪い習慣の産物としてあらわれるのです。
 
今から40年以上前の日本なら話は別です。
劣悪な環境が人体に及ぼす影響が大きく、赤痢や疫痢、腸チフスなどの感染症で多くの大人や子どもが生命を失いました。
 
昔は、感染症に対する化学療法がなかったので、腸チフスにかかると大人でも五人に一人、また疫痢にかかった子どもは、その四割が死んでいったのです。
 
また、昭和29年までは、日本人の死因の第一位は、結核でした。
日本中いたるところに、結核患者が見られ、私が結核で大学を休学していたとき、120人の医学部生の二割がこの病気で死にました。
 
このような感染症は、社会生活を営んでいる限り、誰にでもかかる危険がありましたが、結核も、BCG接種による予防や胸部X線写真検査の定期健診による早期発見、化学療法の開発などで減少していきました。
 
近代工業化が進むと、今度は工業廃水や車の排気ガスなどで大気や川、海が汚染され、さまざまな公害病や肺がんなどが増加。
多くの人が被害を受け、深刻な時代が続きましたが、現在では、行政措置などによって環境汚染に歯止めがかかり、以前ほど公害病が問題視されることもなくなりました。
 
病気の原因には、遺伝、環境、生活習慣、貧困などがあげられますが、環境や貧困などの問題が改善されつつある現在、病気の原因のほとんどは、体に良くない生活習慣ということになります。
 
つまり今は、病気は自分自身がつくっている時代なのです。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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