脳梗塞の治療薬「t-PA」は瀕死の脳細胞を救えるか?

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脳梗塞の治療薬「t-PA」は瀕死の脳細胞を救えるか?
 
 「t-PA」は、血栓を溶かし、血流を早期に再開させる画期的な治療薬ですが、いくつか問題もあります。
 
一つは、時間の問題。
 
「4時間30分以内」といっても、患者さんが病院に運ばれ、すぐに「t-PA」を打つことはできません。
まずは診察をし、MRIなどの機器で脳卒中の状況を判断してからになります。
この間に1時間は経過します。
ですから、少なくとも3時間30分以内には入院しないと間に合わないことになります。
 
しかし、異変に気づき、救急車を呼ぼうとなって、救急車が駆けつけ、病院を探して、搬送され……そうこうしているうちに、かなりの時間が経ってしまうのが、実情です。
 
もう一つは、実際の効果の問題です。
 
確かに、「t-PA」を点滴している間に血流が再開して、みるみる麻痺が良くなったり、しゃべれるようになったりする人もいます。
しかし、そういう例は、「チャンピオンケース」というような、一部の成功例であり、すべての人が劇的に改善するわけではありません。
 
実際には、「t-PA」を投与した人の中で3か月後に完全回復、または、自立できる程度の後遺症しか残さなかった患者さんは、「t-PA」治療をしなかった場合に比べて3割増える程度です。
つまり7割の人は、「t-PA」を打っても効き目がなかったわけです。
 
さらに、副作用の問題もあります。
 
「t-PA」には“両刃の剣”的なところがあって、これを打つと、治療後36時間以内の脳内出血が10倍に増えます。
つまり、血栓を溶かし、血流は再開するかもしれないけれど、出血しやすくなる人もいるのです。
 
このため、いろいろと「やってはいけない」という条件が出てきます。
たとえば、過去に脳出血を起こした人や、血圧が高い人、手術を受けたばかりの、「抗凝固薬」という血液が固まるのを防ぐ薬を投与されている人には使えません。
 
また、大脳半球の3分の1を占めるような大きな梗塞がある場合も、「t-PA」を打たないほうがいいといわれています。
 
このように「t-PA」には、良い面と悪い面があることを知っておく必要があります。
 
患者さんやそのご家族の中には、医療情報に詳しい方がいて、「4、5時間以内なら効くという、あの薬を打ってください」などと言われることもあります。
 
しかし、専門医以外の一般医師には「t-PAを打つ」という判断は、なかなかくだしにくいと思います。
先にあげたような、さまざまな条件を考慮して判断しなければならず、脳の画像を読む力も必要だからです。
 
このようなさまざまな理由から、実際に「t-PA」を打てた脳梗塞の患者さんは、全体の1割未満です。
しかし、今まで脳梗塞の急性期に有効な治療法がなかったわけですから、治療できた3割の人の予後がよくなったというだけでも画期的なことなのです。
「t-PA」については、マイナスな情報を与えると、躊躇する人が増えるかもしれません。
しかし、3割の人が良くなっているのですから、ほかに有効な治療がない現状では治療可能な人には積極的に試みられるべきです。
 
また、4時間30分を超えても、8時間以内なら間に合う、血栓を除去する「血管内治療」なども登場しています。
 
いずれにしても、早く治療が始められれば、それだけ治療の選択肢も増えるわけで、“脳卒中治療はスピードが命”ということだけは、しっかりと胸に刻んでおいてください。
脳卒中にならない、負けない生き方 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
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