「自分はまだ若いし、意識もしっかりしていて認知症の兆候もない。だから大丈夫」と思っている方も多いと思います。
しかし、脅かすわけではありませんが、認知症はなかなか自覚症状が現れないものです。
大丈夫と“自覚”していても、実はかなり進行(つまり脳が萎縮)していることもあるのです。
あるいは「自分はそろそろ危ない」と感じている人が、まだ大丈夫だったりすることもあります。
いずれにせよ、高齢になれば認知症の可能性は必然的に上がるので、なるべく若いうちから打つべき手は打っておいたほうがいいのです。
それも、正しい手を打つ必要があります。
例えばテレビ番組などで、「昨日の昼食はどこで誰と何を?」と尋ねて即座に答えられるかどうか、といった簡便な“検査法”がよく紹介されます。
しかしこれは、正しくありません。
覚えていたからといって脳が健康とはかぎらない。
単にど忘れすることは誰にでもあります(ただし、さすがに「今日の朝食」まで即座に出てこないようなら、疑ったほうがいいかもしれません)。
実際、専門の医師でさえ診断は難しいのです。
だいたい認知症は、本人が認めたがりません。
多少の自覚があっても「おかしい」とはあまり思わず、医師に何か質問されても、悟られまいと平常を装って答えたりすることがあります。
これを「取り繕い行動」といいます。
そこで活躍するのが、MRI画像による診断です。
これは人体の内部を磁気を使って三次元で撮影できるもので、医療の世界に革命的な変化をもたらしました。
認知症の診断についても、例外ではありません。
認知症の兆候は、まず脳の血流に現れます。
人間の理性やコミュニケーション能力など高度な認知機能を担っているのは、脳の前部にある前頭葉や、横側の側頭葉と上部の頭頂葉の境目にある側頭頭頂部と呼ばれる場所ですが、これらの血流量が極端に落ちるのです。
血流量とは、具体的には脳のそれぞれの領域に1分間当たり、脳の組織100グラムあたりに何ミリリットルの血液が流れているかという値です。
その量に影響を与えるのは、一般によく言う血液の“サラサラ”や“ドロドロ”ではなく、脳の代謝です。
つまり脳の中に使われない部分があると、そこに酸素を多く送る必要もなくなる。
だから血流量が落ちるわけです。
かつて、その測定は大変な作業でした。
放射性同位体を注射したり、場合によっては動脈血採血をしたりということが欠かせなかったのです。
これは、非常に痛みをともなうことでした。
注射も採血も不要になり、単に装置の上で横になるだけで脳画像を撮影でき、血流量の測定ができる。
これにより、認知症を発症する何年も前から兆候がつかめるようになったのです。
「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣 より」
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また、ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸。
ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状がみられるようになります。
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られということです。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
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