脳は環境に応じて変化する
脳には、おもしろい性質があります。
環境によって、カメレオンのようにどんどん変化していくのです。
脳内の情報処理・情報伝達は、神経細胞が担っています。
これが電源ケーブルとコンセントのように相互に結びつくことで、情報が行き来するわけです。
そういう“道”がたくさん集まってネットワークをつくることで、脳は活動しています。
興味深いのは、その“道”のつくられ方。
脳には、使えば使うほど、それに対して最適に対応できるように変化する性質があります。
つまり、よく使う“道”はどんどん太くして高速道路にする一方、あまり使わない道はどんどん壊していくのです。
これを「使用依存的可塑性(use-dependent plasticity)」といいます。
特に子どものころはこの活動が活発で、例えば「言語野」と呼ばれる言語をつかさどる領域は、10歳ごろが発達のピークと言われています。
つまりそれまでの生活環境によって、言語に関する高速道路はほぼ完成するわけです。
豊かな日本語を使う環境なら、高速道路も豊かな日本語が行き来するはずです。
あるいは英語圏で生活していれば、英語の高速道路ができる。
両方使う環境なら、バイリンガルになりやすいわけです。
しかし、10歳ころまで英語にほとんど触れないとすれば、当然ながら英語の道はできません。
言語野に残るのは日本語の高速道路のみ。
だから、大人になってからの語学の勉強には苦労させられるわけです。
しばしば「語学教育はできるだけ早いほうがいい」と言われるのは、そのためです。
ただし、早すぎることがトータルな面での成長という意味で必ずしも良いかどうかはわかっていないので、超早期教育を、ぜひにと推奨するものではありません。
さて、子どもの脳の活動が活発になるという点については、語学にかぎった話ではありません。
例えば運動や芸術関係の領域も同様で、こちらの高速道路の完成はもっと早く、5歳ごろと言われています。
脳の仕組みから見ても、これは理にかなった話と言えるでしょう。
「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣 より」
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このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
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