血管を強くするカギは「内皮細胞」!

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血管を強くするカギは「内皮細胞」!
 
内皮細胞が血管を監視し防御する
 
血管の最も大きな役目は、いうまでもなく血液を目的地に届けることです。
しかし、血管は単なる「管」ではなく、複雑な構造と機能を持っています。
 
特に、血液を組織に届ける動脈には、血液と血管を健全に保つための、さまざまなしくみが備わっているのです。
 
動脈は外側から、「外膜、中膜、内膜」の三層構造になっています。
外膜は血管を保護する層、中膜は筋肉(平滑筋)が豊富で、血管の収縮・拡張を主に担う層です。
そして、内膜は、繊維からなる薄い層(内弾性板)と、その内側に並ぶ内皮細胞でできています。
 
丈夫で若々しい血管と健全な血液をつくる重要なカギとなるのが、この内皮細胞です。
 
内皮細胞は、血管の最も内側にあって、一層の細胞だけが並び、常に血液と直接触れ合っています。
血液と血管壁の仲介者のような役割を担っており、絶えず血管を守り、強くするように働いているのです。
 
内皮細胞の主な役割は、「バリア機能」と「活性化機能」に大別できます。
 
バリア機能とは、血液中の成分が必要以上に血管内に入らないように監視・防御する働きのことです。
この機能が正常に保たれていれば、動脈硬化のもとになる酸化LDLなどの有害物が、血管壁に進入しにくくなります。
 
ある程度動脈硬化が進んだとしても、内皮細胞のバリア機能が回復すれば、傷が修復され、血管の強さがよみがえります。
 
また、多少プラークがたまり始めていても、内皮細胞のバリア機能が強ければ、プラークが壊れにくくなり、血栓の予防につながります。
 
内皮細胞は血液も監視して調整する
 
一方、内皮細胞の活性化機能とは、血管の拡張を促したり、血液をサラサラに保ったりする働きです。
内皮細胞はNO(一酸化窒素)という物質を分泌します。
NOには血管を拡張する作用があるので、その分泌によって血圧が下がり、血管への負担が減ります。
また、NOには血栓を防ぐ働きもあります。
 
NOというと、排気ガスに含まれる有害物質として知られていますが、体内ではこのようにすばらしい働きをしています。
NOは多過ぎても身体への弊害が生じますか、内皮細胞が健全であれば、常に適度なNOが分泌されます。
 
内皮細胞は、血液の粘度も監視しており、血液サラサラの度合いを、常に適度に保つ役目もしています。
「血管がぐんぐん若返る最強療法 より」
 
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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
もしビタミンB群のビタミンB12・B6や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
 
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
 
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