口の機能低下から始まる悪循環でサルコペニア、フレイルに

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口の機能低下から始まる悪循環でサルコペニア、フレイルに
 
 ふだん、意識することはほとんどないでしょうが、「噛む」「飲み込む」などの口腔機能も筋肉によって維持されています。
腕や脚と同じように、筋肉量が減り、筋力が衰えれば、口にかかわるすべての機能が衰えます
つまり、口もサルコペニアを起こすのです。
 そして、「お茶や汁物などでむせることがある」「さきいか・たくあんぐらいの硬さのものが噛めない」「滑舌がよくない」といったオーラルフレイルの症状が複数ある人は、症状がない人に比べて、次のいずれの症状も発症・発現することが高いことがわかっています。
 
※加齢によって筋肉が減少した状態
・フレイル
※年をとるにつれて筋力、認知機能、社会とのつながりを含む
心と体の活力が低下した状態
・低栄養リスク
・食欲低下
・食品多様性の低下
 
 さらに、要介護になるリスクや死亡リスクを高める要因にもなっています。
「しっかり噛んで、しっかり食べる」ということを少しおろそかにしていないでしょうか?
 
 オーラルフレイルは、体全体の衰えにリンクします。
早い時期からしっかりチェックし、大切な機能を持つ「口」にもっと関心を持つべきです。
 
飲み込みには舌が肝心。舌が「食力」を支えている
 
ご飯を食べながら、水や汁物を飲みながら、息を吸ったり吐いたり、おしゃべりもする。
特に意識することもなく、いくつものことが同時にできる「口」を、改めてすごいと思いませんか?
たとえば肉を食べるとき、口の中ではこんなことが起こっています。
 
1.前歯で肉を噛みちぎる。
2.前歯では何度も噛まず、肉は舌によって左右どちらかの奥歯へ送られる。
3.もし左の奥歯に送られたら、そこでも何十回も噛むことはせず、
自然に右の奥歯に送られる。これも舌によるもの。
4.肉がちょうどよい硬さに噛み砕けたら、舌がのどへと押し込む。
 
ここで重要なのは舌の役割。
舌は筋肉のかたまりです。
もちろん、唇や歯も大切な働きをしていますが、舌の活躍がなければ、食べ物を食道に送ることはできません
私たちはこれを無意識のうちに、しゃべりながら行なっているのですから、舌がいかに重要な働きをしていることか!
こんな大切な舌の機能が低下するのも、もちろんオーラルフレイルの兆候です。
機能を維持するためには、次の5つが大切。
 
・しっかり噛んでしっかり食べ、「食力」を維持して低栄養を防ぐ。
・歯ごたえのある食材を意識して取り入れる。
・かかりつけ歯科医を持ち、定期的にチェックしてもらう。
・継続的に運動したり、こまめに体を動かす。
・外出を増やし、ひとりで食事をする回数を減らす。
 
4番目と5番目は直接、口に関係ないと思うでしょうが、口を動かすのも筋肉・筋力です。
そして、食べる楽しみが広がる社会参加は、「食力」の維持をおおいに助けてくれます。
「東大が調べてわかった衰えない人の生活習慣 より」
 
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 筋肉や神経を動かすエネルギーを作るのがビタミンB1、神経伝達物質の生成に働くのがビタミンB6、そしてビタミンB12の役目は神経細胞内の核酸やタンパク質などを合成、修復することにあります。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてくれません。
 
また、ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は細胞の生成に重要な核酸たんぱく質、認知機能と関係が深く、また、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
ビタミンB12について?
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