「フレイル」の予防

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「フレイル」の予防
 
人生90年、いえ100年ともいわれ始めた今、長い人生をいかに元気に過ごすかが大きな課題です。
カギの1つは「フレイル」の予防
 
「それ何?」と思った方も、聞いたことがある方も、みなさんは自分のふくらはぎに自身がありますか?
いきなり何をいいだすのかと思われるかもしれませんが、改めて、よく見てください。
あなたのふくらはぎを。
そして下の「指輪っかテスト」をやってみてください。
これは65歳以上の高齢者を対象にしたテストです。
しかし、もっと若い年代の方にも知っておいてほしいのです。
高齢になってからすらりと脚が細い人には、老化が加速度的に進む危険性、つまり、健康と要介護状態の中間地点である「フレイル」になる危険性が潜んでいることを
5秒もあれば簡単にできるテストです。
それで、将来、寝たきりになる可能性があるかどうかがわかりますから。
 
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このテストは、みなさんの骨格筋、つまり体を動かすときに使う筋肉が、年をとるにつれて減少していないか、弱ってきていないかを、自身の指で、ほかに何の器具も使わずに評価するものです
「メジャーも使わず、たったこれだけでわかるんですか?」と思われるかもしれませんが、十分な裏づけがあるので大丈夫。
 
自分の指でふくらはぎを囲めるか、それとも囲めないか。
医師がそばにいなくてもできる簡単なテストによって、「将来、自分は寝たきりになる危険性がある?」そんな情報を得ることができるのです。
 
まず、「指輪っかテスト」が教えてくれる一番の情報に注目してみましょう。
それが、サルコペニアの危険度」です。
 
サルコペニアとは、加齢によって筋肉が減少した状態のことをいいます。
このサルコペニアこそが、健康長寿のために予防しなければならない「フレイル」の原因の1つです
筋肉が減少してくると運動や外出がめんどうになったり、転びやすくなったりするほか、硬いものが食べにくくなることもあります。
手足だけでなく、口の筋肉なども含めた体全体の筋力が衰えてしまうからです。
 
 また、今、「新型栄養失調」が増えています
経済的理由などで満足に食べられずになる栄養失調ではありません。
一応、1日に3食食べているのに体がだるい、そんな「新型栄養失調」の人が、70歳以上では6人に1人もいるといわれてます。
これはたんぱく質摂取の絶対量不足が原因です。
一人ひとりは、食事のバランスの知識もあって気にしているのに、絶対量は不足している。
つまり、「食力」が落ちている
 体を動かす機会が減り、食力も落ちてくれば、筋肉量はさらに減少する悪循環に陥り、気がつけば要介護寸前の状態に
この状態こそ「フレイル」です
 
 フレイルとは、年をとるにつれて筋力、認知機能、社会とのつながりを含む心と体の活力が低下した状態をいいます。
「虚弱」を意味する英語のフレイルティが語源で、2014年に日本老年医学会が提唱しました。
 多くの人が健康な状態からフレイルを経て要介護状態になると考えられ、予防のためには、できるだけ早くフレイルの兆候に気がつき、生活習慣を見直すことが大切
すると、フレイルの進行を食い止め、健康な状態に戻ることができます
 
日本は世界じゅうのどの国もまだ経験したことのない「超高齢化社会」の問題に直面しています。
厚生労働省2017年の発表によれば、日本人の平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳で、過去最高を更新中です。
平均寿命とは別に、自立して元気に日常生活を送れる期間のことを「健康寿命」といいます
平均寿命の延びとともに健康寿命も延びてはいますが、男性は約9年、女性は約12~13年も健康寿命が短く、介護が必要な人も増えるでしょう。
 男性は約7割が70代半ばから、女性は約9割が70代の初めごろから、ゆるやかに自立度を失っていくともいわれています。
 
 年をとっても元気に活動でき、おいしいものを食べられ、家族や友人と楽しく生活するのが理想ですが、やはり、筋力や体力は徐々に低下していきます。
 しかし、大規模高齢者フレイル予防研究の結果、
「しっかり噛んで、しっかり食べる」「運動する」「社会とのつながりを持つ」
 この3つのことがバランスよくできていれば、加齢に伴う体や心の衰え=フレイルを予防でき、改善につなげられることがわかってきました。
運動だけでなく、長く続けられる趣味や活動を持つことも予防になります。
 これからはフレイルを高齢者だけの問題と思わず、早くから先を見据えた健康対策を行なうことが大切になります。
50代、40代、いえもっと早くから意識しても早すぎることはありません。
「東大が調べてわかった衰えない人の生活習慣 より」
 
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 筋肉や神経を動かすエネルギーを作るのがビタミンB1、神経伝達物質の生成に働くのがビタミンB6、そしてビタミンB12の役目は神経細胞内の核酸やタンパク質などを合成、修復することにあります。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてくれません。
 
また、ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は細胞の生成に重要な核酸たんぱく質、認知機能と関係が深く、また、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
ビタミンB12について?
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