本の世界にひたることは、最高のストレス解消になる

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本の世界にひたることは、最高のストレス解消になる
 
その場にいながらにして想像の翼を広げることができるのが読書です。
読書の脳への効果は、まずはストレス解消になるという点です。
読書が趣味という方は、本を読んだ後にじわじわとした感動に包まれたり、読みながら涙を流したり、読み終えた後に本の世界からなかなか抜け出せなかったりという経験をおもちでしょう。
心のもやもやが晴れたり、気持ちがリフレッシュされたりといった経験も味わっているのではないかと思います。
それらは本のもつストレス解消効果によるものです。
海外の研究では、音楽や散歩よりも、読書のほうがストレス解消効果は高いといった報告まであります。
2009年にイギリスのサセックス大学が行なった調査で、最初に被験者に心身のストレスが高まるような運動、さまざまなテストをやってもらいました。
ストレスが高まったところで、昔からストレス解消に効果があるとされてきた方法を試してもらい、どれがいちばん効果的だったかを調べたのです。
解消法として用意されたのは「音楽鑑賞」「一杯のコーヒー・紅茶」「散歩」「テレビゲーム」、そして「読書」です。
その結果、軍配が上がったのが読書だったのです。
この実験では、読書でストレスが68パーセント減少していました。
しかも、静かなところで読書をすると、わずか6分で60パーセントもストレスが軽減されることがわかりました。
音楽を聴いたり、散歩をしたりというほうがストレスを減らしてくれそうな印象ですが、この研究で、読書はもっともストレス解消効果に優れ、脳をリラックスさせることが明らかとなったのです。
 
もうひとつ、同じくイギリスで、本が大脳を活性化させることを証明した興味深い研究もあります。
こちらはオックスフォード大学で行われた実験で、この実験では読書中の脳のようすをMRIでスキャンする方法がとられました。
すると、本の中のストーリーに合わせて、現実に経験しているのと同じように脳が働いていることがわかったのです。
物語の中に風景の描写、音・におい・味などに関する表現や描写が出てくると、出てきた描写に応じて、大脳の「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」を司る部分が活性化していました。
さらに、活性化することで新しい神経回路も生まれていることもわかりました。
本の中の世界なのに、あたかも体験しているかのように脳は動くのです。
しかも、その働きが脳のネットワークを増やしてくれるのですから、じつにすごいことです。
書かれている文字を目で追いながら、頭の中でそのようすを想像し、映像のように映しながら本を読み進めています。
登場人物がどんな容姿をしているのか、舞台となっている場所はどんな情景なのかをイメージしつつ、ページをめくるということをしています。
読んだ本が映像化されたとき、そこでの世界観やキャスティングに違和感やギャップを覚えることがあるのも、原作を読んでいるときすでに、脳の中で自分なりの映像がつくられているからでしょう。
そしてこれは、活字だからこその脳の働きといえます。
事実、このオックスフォード大学の実験でも、テレビを観たり、ゲームをしたりしているときには、このような脳の現象は起きないとしています。
研究を手がけた神経学のジョン・シュタイン名誉教授は、「読書は受動的な活動ではなく、脳全体を使用する活動で、脳のトレーニングになる」と述べています。
ほかにも、読書は長時間考え続けられる脳をつくってくれる、読書を介して人とのコミュニケーションが向上するなど、本を読むことの効果はいろいろ上げられています。
 
このようにストレス解消になり、リラックス効果があり、さまざまな領域を活性化してくれるのが読書ですから、脳を若返らせるために本を読む機会も増やしてみてください。
視力低下などで読書がつらくなってきているなら、短い文章を毎日数分読むというのでもよいのです。
読むのであれば、感動したり、感銘を受けたり、夢中になれるものがよいでしょう。
古典の名作でも、文芸、エッセイ、ミステリーでも、本のジャンルは問いませんが、やはり良書と評されているもののほうが想像の翼が広がりやすいと思います。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
 
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
 
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
ビタミンB12について?
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