“誰かの役に立っている感”が強い人は脳が衰えない
人の中で人に囲まれて生きることで、人間は人間らしく生きていくことができます。
人とのコミュニケーションが少なくなっていくことは、生きる意欲を減退させていくことにもつながります。
いくつになっても脳と体ともに健康であるためには、社会とのかかわりをもち続けることがとても大切なのです。
共通の趣味をもつ人たちと交流する、親しい人と食事をしたり会話を楽しむ、地域の行事に参加するなど、社会や人とコミュニケーションがもてる場はたくさんありますね。
定年を迎えて会社から離れてしまった方、お子さんが成人して子ども介しての人とのつながりが減ってしまった方などは、ぜひ、それに代わるコミュニケーションの場を見つけてください。
また現役世代も、会社や仕事、子育て以外の場で、人とのつながりをつくっておいてほしいと思います。
人とのつながりが多い人ほど、主観的幸福感は高くなると考えられています。
もっというと、社会とのつながりの中で自分の存在が何かの役に立っている、誰かの役に立っている実感がもてるほど幸福感は高まっていくのです。
2015年6月までに日本とアメリカで実施された10件の追跡調査研究を解析したもので、対象となったのは平均年齢67歳の男女合わせて13万6000人にのぼります。
アメリカの研究では人生の目的や意義、「他の人の役に立つこと」を評価し、日本の研究では「生きがいをもっているか」を評価して解析した結果、人生で高い目的意識をもっている人は、そうでない人に比べて死亡率が17パーセント、脳卒中や心筋梗塞などが17パーセント減少することが明らかになったそうです。
自分の力や能力はまだまだ人の役に立つという実感は、自分はまだ必要とされているとの思いにつながり、それがやる気となって脳を活性化させます。
自分の存在を認め直すことにもなり、自信がもてるようになるでしょう。
そうした前向きな感情は、脳がイキイキと働くためのモチベーションとなります。
家族のために自分がサポートできることをやる、家事の一部を引き受ける、地域の会で取りまとめ役になる、子どもスポーツのサポートをする、地域ボランティアや障害者支援のボランティアをするなど、力を生かせる機会は身のまわりにもいろいろあるのではないでしょうか。
それが、その後の人生の生きがいや目的へとつながっていくケースは少なくありません。
生きがいをもっている人は、ストレスホルモンであるコルチコイドの分泌が減り、ストレスの悪影響から脳を守ることができます。
誰かの役に立って感謝されたら脳はより幸せになります。
脳も人生も幸せになる。
そこをぜひめざしていきましょう。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
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脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
ビタミンB12について?
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