怒りは、何も解決しない

イメージ 1
怒りは、何も解決しない
 
怒りが湧くのは、
「自分が正しい」と信じているからです。
怒りに翻弄されたくなかったら、
自分が正しいと信じていることが、
本当にそうなのかどうか、冷静に考えてみてください。
 
ある老師が、以前こんなことを言いました。
「俺も90歳を過ぎて、だいたいのことは解脱したと思っていた。もう、うまいものを食べたいとも思わないし、女に惚れることもない。だけどな、怒るのだけはダメだった。この歳になっても頭にくるんだよ。怒りからは解脱できない。仏の道は遠いな」
 
念のために言うと、老師が「頭にくる」のは、個人的なことではありません。
この老師は、寺で戦災孤児の救済活動をするなど、ボランティアの草分けのような活動を続けた人です。
彼の怒りは、社会的な問題や悲惨な状況にある人たちに対して、世間があまりにも無関心だということに向けられたものです。
老師にとってこの怒りは重要な意味があり、また、これまでの活動を支える大事なエネルギーにもなってきたのでしょう。
そんな「怒り」であれば、捨てる必要はないと思います。
その感情が激したときに、その枠の中でこぼれないようにすればいいだけの話です。
しかし一般的に見れば、怒りがてこずる感情のひとつであるのは間違いありません。
なにしろ、90歳の禅僧まで、捨てられないと言ったのですから。
 
「もう怒らないと決めたのに、小さなことで部下を怒鳴ってしまうのです」
「子どもが言うことを聞かないので、怒りが溜まっていつもイライラしています」
こんな悩みをよく聞きます。
ついカッとなってしまうのは、「怒ればなんとかなる」といった妙な思い込みがあるからです。
冷静になれば、いくら怒鳴っても相手は萎縮するか反発するだけとわかるでしょう。
怒る行為に効用があるとしたら、ただひとつ。
「問題がここにある」と過激に指摘することだけです。
しかし、怒りにまかせて問題を指摘したところで、相手は決して納得しません。
また、問題が解決することもありません。
 
もし、誰かがあなたに怒りをぶつけてきたときは、「この人は何の問題を指摘しているのだろう」と考えれば、それで十分です。
たとえば、上司が、「結論から言え!」と部下を叱ったとします。
それは「報告が回りくどい」と問題を指摘しただけです。
だから叱られたほうは、次からは、端的に現状報告すればいいわけです。
短気な上司がどんなに激昂しても、「この人は、怒れば問題が解決すると思っているのだな」と、指摘された問題だけ捉えて、よけいな怒りは受け流せばいいのです。
そもそも人が怒るのは、「自分が正しい」と信じているからです。
しかし、その「正しいこと」すらあいまいなものであって、変化するものです。
それがわかっていれば、一時的にムッとすることがあっても、さほど激しい怒りにはならないはずです。
 
「自分の言っていることはどんな場合も正しい」と思い込むのは、仏教からもっとも遠い感情です。
だから、「怒る」行為をとても嫌います。
苦しみを生み、悟りを妨げる三つの毒「三毒(貧(とん)、瞋(じん)、痴(ち)=貪り(むさぼり)、怒り、愚かさ)のひとつに数えられるほどです。
「あっ、また怒ってしまった」と思った時点で、もう一度本当に自分が正しいのか、再検討する余地があると考えてください。
 
およそ物事は、ある一定の条件でしか成立していません。
怒りに翻弄されたくなかったらこの考え方を頭にたたき込んでいたほうがいいでしょう。
ちなみに、当座の怒りを鎮めるには、怒りの相手から物理的に離れることをお勧めします。
また、立っているのではなく、床に直接座ってしまうことが効果的です(椅子よりはるかに効果的)。
「禅僧が教える心がラクになる生き方 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
最近、電車の中でキレる人を見かけます。
少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。
でも、最近は違ってきています。
しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。
受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。
この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。
これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。
 
セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。
これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。
平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。
セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。
そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB12について?
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!