脳内神経伝達物質のバランスが大事

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脳内神経伝達物質のバランスが大事 
 
脳には膨大な数の神経細胞があり、それぞれの細胞は固有の神経伝達物質によって情報伝達がおこなわれています。
そのなかに感情や感覚を伝える神経細胞もあります。
 
感情や感覚の伝達を受け持っているのは、興奮系の神経細胞、抑制系の神経細胞、そして調整系の神経細胞です。
おもにこの3つの神経細胞のバランスによって、心はさまざまな状態になり、感情も湧き上がってくるのです。
 
3つの神経細胞の関係については、「やじろべえ」をイメージするとわかりやすい。
中央の支に調整系の神経細胞があり、左右の興奮系と抑制系の神経細胞という重しを支えて、微妙なバランスをとっている状態です。
調整系、興奮系、抑制系の神経細胞から、それぞれ分泌される神経伝達物質が適量であれば、バランスがとれていて、やじろべえは水平を保つ。
すなわち、心も感情も安定している状態となります。
 
ところが、脳のなかで神経伝達物質のバランスが崩れると、心や感情に変化が起きます。
悲しみや怒り、イライラや不安などの感情が湧き上がってくるのです。
そうした心や感情の変化はすべて、脳内神経伝達物質の状態をそのまま反映しているのです。
 
 興奮系、抑制系、調整系のうち、もっとも種類が多いのは興奮系の神経伝達物質です。
自然界の生物はいつ外敵に襲われるかもしれない状況で生きています。
そのため、外敵から身を守るために、攻撃と防御に関係する興奮系の神経伝達物質が不可欠なのです。
 
 興奮系の伝達物質が適度に分泌されていると、元気があってやる気に満ち、ほどよい緊張感がある。
これが不足すると、元気がなくなり、気分が落ち込む。
 
 抑制系の神経伝達物質の代表がGABA(γ-アミノ酪酸)。
抑制系はほかにいくつかありますが、GABAの占める割合が圧倒的に多く、脳の神経細胞30%もあります。
GABAの働きは、脳が興奮したときのブレーキ役。
アクセル役である興奮系とのバランスをとっています。
不足すると、興奮が鎮まらず、ときにけいれんを起こしたりすることもある。
 
 調整系の神経伝達物質は多くなく、その代表がセロトニンです。
セロトニンは通常、興奮系の神経伝達物質に分類されるのですが、行動に対しては、それを抑え鎮めるなど、抑制的に働く。
セロトニン不足は、抑うつ感情をもたらします。
 
うつの治療薬は、この3つの神経伝達物質のバランスを整えるように設計されています。
ですから症状が改善されるのですが、たとえよくなっても、それは薬の作用によるものであり、薬がなければもとのバランスに戻るだけです。
「うつ」は食べ物が原因だった! より」
 
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うつ病は、今やサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンノルアドレナリンが減少したり、視床下部や下垂体といった脳の機能の異常なども、原因として考えられています。
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
そのほかには、神経伝達物質セロトニンの材料となるトリプトファンや、セロトニンなどの生成に必要なビタミンB6・B12、葉酸などのビタミンB群を補給します。
 
腸内細菌は「葉酸」、「ビタミンB12」、「ビタミンB6」等のビタミンを産生することが知られています。
ビタミン含有食品の積極的な摂取も必要ですが、腸内環境を整え、細菌の力を最大限に借りることが本来のあるべき姿でしょう。
さらに、ビタミンB12は胃壁から分泌される因子(タンパク質)と結合して吸収されるので、胃や腸の機能も同時に整えることも重要です。
 
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要です。
 
ビタミンB12について?
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