「食べ物」からつくられる脳内神経伝達物質

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「食べ物」からつくられる脳内神経伝達物質 
 
脳内神経伝達物質はすべて食べ物由来であり、その主な材料はたんぱく質です。
 
筋肉や皮膚、髪の毛など私たちの体をつくっている重要な成分はたんぱく質ですが、脳内神経伝達物質も例外ではないのです。
 
食事でとったたんぱく質は、消化管を移動しながら、消化酵素で分解され、アミノ酸になって脳に送られます。
脳に送られたアミノ酸は、L-グルタミン、L-フェニルアラニン、L-トリプトファンの形で脳に入ります。
その後、いくつかの反応を経て神経伝達物質に合成されます。
 
興奮系の神経伝達物質であるグルタミン酸から、抑制系の神経伝達物質であるGABAに合成されるのです。
つまり、興奮系のグルタミン酸が増えれば、同時に抑制系のGABAも増えて、バランスをとるのです。
この絶妙な“バランス感覚”は、脳の神秘というしかありません。
 
ところが、実際にはグルタミン酸からGABAへの反応がスムーズにおこなわれていないケースが多いのです。
興奮系が増えるのに、抑制系がつくられないと緊張感が続き、イライラや不安を感じたり、けいれんを起こしたりすることもあります
 
また、セロトニンも不足しがちな神経伝達物質です。
気分を落ち着ける作用があるセロトニンは、スムーズな睡眠に入っていくために欠かせない物質ですが、これもまた、うまくつくれない人が多いのです。
セロトニンは睡眠のバランスをとるメラトニンに合成されますから、セロトニン不足は、そのままメラトニン不足につながります。
その結果、うつの初期症状である睡眠障害を引き起こすのです。
 
なぜ、神経伝達物質の合成がうまくいかなくなるのでしょうか。
 
その原因の1つには、ビタミンB6の不足があります。
ビタミンB6は、合成の随所にかかわっています。
ビタミンB6が十分にないと、神経伝達物質をうまくつくることができないのです。
 
神経伝達物質の原材料はたんぱく質ですから、たんぱく質を十分にとることは大切ですが、同時にビタミンB6もたっぷりとらないと、神経伝達物質への移行はスムーズにおこなわれなくなるのです。
 
では、そもそも脳内神経伝達物質は、どのような仕組みで分泌されているのでしょうか。
セロトニンなどの神経伝達物質が入っているのは、脳の神経細胞シナプス小胞と呼ばれる、ブドウの房のような形をした部分です。
 
やる気のない状態に陥ると、シナプスを介して「やる気を出さなくっちゃダメだぞ!」という電気信号が伝わり、シナプス小胞からセロトニンが放出されます。
 
セロトニンは、次のシナプスの受容体でキャッチされ、さらに次へと伝えられることで、“やる気”が喚起されます。
信号の伝達が終了すると、受容体から外され、シナプス小胞に再吸収され、キープされることになります。
「うつ」は食べ物が原因だった! より」
 
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
 
血管はアミノ酸たんぱく質コレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
 
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
 
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。
 
ビタミンB12は水溶性と脂溶性という特徴を併せ持つため体の隅々にまでいきわたりさまざまな働きをします。
細胞の生成にとって重要な核酸(DNA)・たんぱく質の合成や末梢神経(手足)、 中枢神経(頭)、認知機能に関わりがあるため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
細胞が入れ替わることにより若さにもつながると考えられます。
 
ビタミンB12について?
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