★脳や神経の修復に不可欠なビタミンB12★

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★脳や神経の修復に不可欠なビタミンB12★

ビタミンというと、一般には、野菜などの植物性食品に多く含まれているというイメージが強いようです。
しかし、実は、動物性食品にしか含まれないビタミンもあります。
それはビタミンB12です。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。

ビタミンB12を電子顕微鏡で見ると、鮮やかな赤色の結晶見えます。
こんな鮮やかな色のビタミンは、ほかにありません。

また、ビタミンB12は、ほかのビタミンとはケタ違いに分子量が大きいのです。
たとえば、ほかのビタミンを人間一人が乗る飛行機にたとえると、ビタミンB12はそれが何機も飛び立てる航空母艦なみの大きさです。

こういった数々のユニークさを持つことから、開発者はビタミンB12に着眼し、40年以上研究を続けてきました。
その結果、ビタミンB12は作用の点でも、ほかに類をみないビタミンであることがわかりました。

ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
脳や神経が働くときは、神経線維同士の情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で1単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。

ビタミンB12は、水溶性(水に溶ける)ですが、脂肪成分となじみやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い出すことにより、元どおりの健全なものに復元し、また、切れた部分があればつなげて、修復作用を発揮します。

京都大学医学部の亀山正邦教授は、健康な老人の脳と比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB12が4~6分の1に低下していたと報告しています。
老人性認知症とビタミンB12との深い関係を示唆する研究結果といえます。

(「安心」2004年2月号より)

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