肉のタンパク質が免疫機能を高め、脂肪が免疫細胞を作る
昔から「結核になったら卵を食べさせるのがいい」と思われてきました。
栄養をつけるのが何よりの治療だと信じられていたからです。
これはおそらく、日本人の経験則から生まれた知恵だったと思います。
戦後になって進駐してきた米軍は日本人の栄養状態の悪さを懸念して、脱脂粉乳を大量に配りました。
とくに子どもの成長にタンパク質は欠かせませんから、学校給食では盛んに利用されました。
いまの70代以降の人でしたら、あの味を忘れることができないくらいです。
同時に日本人の食生活もどんどん改善されてきました。
戦前に比べてはっきりと肉の消費が増えたのです。
つまりタンパク質の摂取が増えたことで、戦後の日本は結核になる人が激減したというのがわたしの見方です。
その証拠に、ふだんから肉を食べていたアメリカやヨーロッパの国々では結核になる人がほとんどいませんでした。
国民病という呼び方は何か日本の風土や日本人の遺伝子に関係するようなおどろおどろしいイメージがありますが、じつは肉を食べない食生活が原因だっただけの話なのです。
日本人の平均寿命が戦後になってやっと50歳を超えたというのも、肉や牛乳の消費が増えたことと大きく関係しています。
たとえば世界の国々で最初に平均寿命が50歳を超えたのはオーストラリア、そしてニュージーランドだといいます。
アメリカ、ヨーロッパの国々がそれに続きます。
日本より50年も早い時期に平均寿命が50歳を超えているのです。
肉のタンパク質は免疫機能を高めます。
コレステロールは免疫細胞の材料になりますし、さまざまなホルモンの材料にもなります。
しかも免疫細胞のリンパ球は脂肪でできていますから、肉の脂肪も免疫機能を高めます。
病気になりにくくなる、あるいはなっても高い免疫力で自然治癒が可能になるのですから、平均寿命が延びてくるのも当然のことなのです。
ただしみなさんは疑問を持つと思います。
「肉を食べるようになって日本人の寿命が延びたのはわかる。でもなぜ、世界一の長寿の国になれたんだ」
この疑問はとても的確です。
肉で寿命が延びるなら、いまでも肉を大量に食べているアメリカやヨーロッパの国々のほうが寿命は長いはず。
でも、日本の平均寿命はずっと世界のトップレベルのままなのです。
「脳のため光を浴びよう肉を食べよう より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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