すべての始まりは、「血管内皮細胞」の障害から

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すべての始まりは、「血管内皮細胞」の障害から
 
1.血管内皮細胞の障害と単球(白血球)の侵入
 
まず、生理的な加齢や高血圧、高血糖、脂質代謝異常などの危険因子により、血管の内側の「血管内皮細胞」が障害されます
傷ついた血管内皮細胞には「単球(白血球)」がくっつき、やがて血管内皮細胞の間から壁の内側へと侵入します。
続いて内皮から血管壁の中へと侵入した単球は、異物を貪り食うようにして処理する細胞「マクロファージ」へと変化します。
 
2.異物の侵入
 
傷ついた「血管内皮細胞」のバリア機能が弱まると、血管内に異物が進入しやすくなります
異物の代表格がLDLコレステロールで血管に入り込むと活性酸素の影響で「酸化コレステロールとなります。
 
LDLコレステロールは血液中の脂質の一種で「悪玉コレステロールとも呼ばれます。
活性酸素」は、反応性の高い分子の総称で、体内でエネルギーをつくり出すときに発生し、ストレス、喫煙などで増えます。
 
血管内に「活性酸素」が増えると血管が傷つけられやすくなり、動脈硬化が進行します。
喫煙が「血管力」を下げるのは体内の「活性酸素」を増やすことも関係しています。
 
免疫システムが発動
 
3.免疫システム発動
 
 LDLコレステロールが「酸化コレステロール」になると、体の免疫システムは異物とみなして攻撃します。
 
免疫細胞である白血球の「単球」から変化した「マクロファージ」はアメーバのような細胞で、病原菌などを自らの体内に取り込んで殺し、私たちの体を守るのです。
 
4.限界まで働いた免疫細胞が破裂、蓄積
 
限界まで酸化コレステロールを取り込んだマクロファージは「泡沫細胞」となり、脂肪のかたまりとなって血管壁内に蓄積し、やがてコブのように隆起します。
これがプラークと呼ばれるもので、その内部にはジュクジュクとした軟らかい「アテロームが詰まっています。
プラークおかゆに似ているため「粥腫(じゅくしゅ)」とも呼ばれます。
 
プラークが大きくなると血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなります。
また、動脈硬化によって血管壁がもろくなり、切れてしまうこともあります。
 
加齢や生活習慣病によって血管内皮細胞の機能が低下し、傷つきやすくなった血管の内膜にコレステロールが侵入することがわかっています。
動脈硬化は血管内皮細胞の衰えとともに発症すると言われるのはこういった理由からです。
 
★血管の壁にこびりつく“脂のかたまり”
 
免疫システム発動
 マクロファージが
「酸化コレステロール」を捕食して消化!
“血管内のそうじ屋さん”として大活躍!!
   
マクロファージがおなかいっぱいに!
 酸化コレステロールをたくさん食べて
 限界をむかえると、内部に脂をいっぱいためた
「泡沫細胞」に変身!
   
危険な状態 コブのできあがり
「泡沫細胞」がたくさん蓄積されると、
 お粥状の脂を含んだ
 コブ(アテロームプラーク)が形成される
「「血管を鍛える」と超健康になる! より」
 
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
 
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
 
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
 
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12について?
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