「フレンチ・パラドックス」が教えてくれること
一時期(90年代前半)、フレンチ・パラドックスという言葉が流行ったことがあります。
フランス人は肉やバターの消費量が世界でもトップレベルに多いのに、なぜかアメリカやドイツ、イギリスなどに比べて心筋梗塞のような心臓病の死亡率がはるかに低いという逆説、それがフレンチ・パラドックスです。
実際、フランス人はアメリカ人よりカロリーも油も多い食事をしていたのです。
そこで調べていくと、近隣のイタリアやスペイン、ポルトガルも心筋梗塞の死亡率がほかのヨーロッパ諸国に比べて半分くらい低いことがわかってきます。
何が違うのか。
そのとき多くの人が想像したのが赤ワインでした。
たしかにここで挙げた国々は、ふだんからよく赤ワインを飲みます。
ドイツはビールか白ワインだし、アメリカやイギリスはどちらかといえばワインよりビールです。
「きっと赤ワインのせいだ」とみんなが想像し、そこからアメリカでも日本でも赤ワインのブームが始まって世界中で赤ワインの人気が高まります。
ところがさらに調べてみると、OECD(経済協力開発機構)に加盟する国の中には、フランスやスペイン、ポルトガルよりももっと心筋梗塞の少ない国がありました。
それが日本と韓国です。
「どちらの国も赤ワインはそれほど飲まないのに、なぜなんだ」という疑問が当然出てきます。
つまり赤ワインを飲む・飲まないだけでは説明できないのです。
そこで今度は料理に注目が集まります。
日本や韓国、そしてフランス・スペイン・ポルトガル・イタリアの料理に共通するのは魚を食べることです。
アメリカやドイツ、イギリスは肉が中心で魚をそれほど食べませんが、日本人や韓国人はよく食べます。
韓国というと焼き肉のイメージばかり先行しますが、あれはどちらかといえば北朝鮮の料理で、南の韓国ではプサンのように日常的に魚を食べる習慣があります。
フランスやポルトガルも魚料理は広く食べられていますし、そもそもフレンチやイタリアンのコースはメインが2種類あって肉と魚を両方食べるようになっています。
つまりフレンチ・パラドックスに端を発した疑問は、きわめて平凡な答えに辿りついたのです。
健康を維持するための食生活の基本は、何でも食べること。
肉でも魚でも野菜でも、それだけに偏るのでなく何でも食べること。
それが理想になってきます。
「脳のため光を浴びよう肉を食べよう より」
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
なぜ、このような法が提案されるに至ったのでしょうか。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
確かにお肉を食べなければ、ベジタリアンですが、ただそれだけでは、健康的なベジタリアンとは呼べません。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
また、ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は細胞の生成にとって重要な、核酸とたんぱく質の合成に関わっているため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながることにもなります。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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