積み重なった生活習慣が寿命を変える

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積み重なった生活習慣が寿命を変える

 

東北北部と北海道の特徴は20~69歳の平均歩数が少ないことです。

冬は雪に閉ざされるからでしょう。

少し意外ですが、平均歩数は大阪、神奈川、東京などの都市部のほうが多いのです。

運動不足は肥満を招きます。

民間企業が実施した肥満度の調査では山形が全国一で、東北6県がすべてトップ10に入っていました。

 

そしてタバコです。

男性の喫煙率のデータを見ると、東北北部は喫煙率も低いとはいえず、高いほうから10~20位あたりに散らばっています。

さらに、2016年の国税庁の統計によれば、成人一人のあたりのアルコールの消費量は東京が1位、続いて九州南部と沖縄、そして東北各県がずらりと並んでいます。

東京の飲食店には全国から人が集まるので別として、九州南部と東北には飲酒の伝統があることがわかります。

 

その結果、日本人の三大死因のひとつである脳血管疾患のうち、もっとも多い脳梗塞による死亡率は、秋田を筆頭に東北各県と山陰などの日本海側、そして長野が上位を占めています。

これに対して東京、愛知、神奈川などの都市部は少ないですね。

 

2017年に発表された厚生労働省のデータでは、糖尿病による死亡率も青森が1位で、死亡率がもっとも低い愛知とは2倍以上の差がありました。

糖尿病は動脈硬化を起こして脳梗塞心筋梗塞を招きますし、大腸がん、肝臓がんなどの発生率を高めます。

糖尿病と脳梗塞健康寿命を大きくそこなうため、このどちらも少ない愛知の健康寿命が長いのも納得できるような気がします。

 

なお、糖尿病全体の約90パーセントが大人になってから発症する2型糖尿病なので、ここでは2型糖尿病を「糖尿病」と書いています。

 

がんはどうでしょうか。

がんの発生には生活習慣が深くかかわっています。

アメリカで行われた研究から、がんで亡くなった人のうち、その原因が生活習慣を含む環境要因と考えられる人が約70パーセントにのぼることが示されています。

すべのがんによる死亡率について、2014年から2016年の平均値をみると、高いほうから青森、秋田、北海道の順でした。

これに対して、がんによる死亡率が低かったのは平均寿命が長い長野と滋賀です。

長野の人は、脳梗塞になってもがんにはなりにくいようです。

 

日本人の死因第1位はがんなのですから、がんによる死亡率は平均寿命に大きく影響するでしょう。

ここには食生活、運動、喫煙習慣など、がんの発症とかかわる要因だけでなく医療の受けやすさや健康診断受診率、健康知識、治療に対する考え方など、がんの発見と治療にかかわる要因も関係します。

 

長野の例が示すように、生活習慣に何かひとつ問題があっても、それだけで平均寿命が大きく左右されることはありません。

平均寿命は、問題がいくつも重なることで、じりじり短くなっていくのです。

「「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

ビタミンB群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

なかでも注目が、ビタミンB12です。

古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

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