第2章 たんぱく質の調整で腎臓の負担をコントロール

第2章 たんぱく質の調整で腎臓の負担をコントロール

 

▼適切なたんぱく質量を知ろう

 

生きていくうえでは欠かせない三大栄養素のひとつ「たんぱく質」ですが、体内でエネルギーに代わる過程で尿素クレアチニンなどの老廃物を生み出します。

これらの老廃物をろ過して体外へ排出するのが腎臓の役割です。

つまり、腎臓病の人がたんぱく質を摂り過ぎると腎臓に大きな負担をかけることになり、その結果、腎機能が低下すれば腎臓の負担がさらに増えて老廃物の処理が困難になってしまうのです

 

日本腎臓学会の「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014」では、たんぱく質の摂取目標は腎臓病のステージによって異なり、G1~2では標準体重1キロあたり1.3グラム未満、G3b以降は0.6~0.8グラム(※)とされています。

(※)サルコペニア(筋肉減少症)を合併した場合は、腎臓病ステージG1~2では標準体重1キロあたり1.5グラム、G3aは1.0グラム、G3b以降は0.8グラムがたんぱく質の摂取目標となる。

主要な食品のたんぱく質量を見ると、1日の摂取目標以下に抑えるのは意外に難しそうだということがわかると思います。

ご飯1膳だけなら3.8グラムで済みますが、これを毎日3食、しかもおかずといっしょに食べるわけですから侮ることはできません

すでに腎臓病が進行している人なら尚更です。

 

普段よく食べている食品に何がどれだけ含まれているのか、それを知ることが腎臓病対策の第一歩。

気になる方は数日分の食事を記録して、たんぱく質量をチェックしてみましょう。

 

 

▼普段よく食べるもののたんぱく質量は?

 

ご飯(茶椀1杯150g):3.8g

パン(6枚切り1枚):5.3g

そば(1人前120g):5.8g

うどん(1人前180g):4.7g

(1個60g):7.3g

牛乳(200ml):6.6g

牛もも生肉(脂身つき100g):19.2g

豚もも生肉(脂身つき100g):19.5g

鶏もも生肉(皮つき100g):16.6g

アジ開き(1枚80g):16.2g

紅鮭切身(1切れ80g):18.0g

生サンマ(1尾140g):25.3g

サバ(切り身80g):16.5g

タラ(切り身120g):17.6g

イワシ(1尾260g/正味40g):9.2g

シシャモ生干し(1尾15g):2.3g

イカ刺身(40g):7.2g

カンパチ刺身(60g):12.6g

ホタテ貝柱刺身(45g):7.6g

マグロ刺身(赤身60g):15.8g

マグロ刺身(トロ60g):12.1g

バナメイエビ(無頭1尾15g/正味12g):2.4g

文部科学省日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

 

たんぱく質が高めなら量で調整

たんぱく質が高めの食材は、食べる量で調整。

「腎臓の話 より」

 

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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。

肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。

つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。

 

イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。

このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。

幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。

お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。

それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。

 

ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。

動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。

これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。

そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。

 

ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。

同時に、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/