第2章 部位と調理法をひと工夫すればお肉も普通に食べてOK
▼お肉はどう食べるかが大事!
世代を問わず肉料理が大好きな日本人。
鶏の唐揚げやハンバーグ、豚の生姜焼きなどは誰に聞いても好きなおかずの上位にランクインするほどの鉄板メニューです。
栄養面でも三大栄養素のひとつ、たんぱく質を摂るうえで欠かすことのできない肉類ですが、食べる部位や食べ方を注意しないとコレステロール過多の状態となり、健康を害してしまうことも。
蓄積したコレステロールが体中の血管を傷め、腎機能の低下を招くこともあるのです。
注目すべきは「脂質」。
たとえば同じ豚肉でもバラ肉とロース肉では脂質量が2倍近く違います。
鶏ササミに至っては鶏もも肉のわずか18分の1。
健康を損なうことなく、お肉を食べ続けられると考えれば、この差は決して無視できないでしょう。
お肉は食べ方を工夫することも大切。
事前に脂身や皮の部分をカットすれば、調理中に出る余分な脂を減らすことができます。
また、茹でる、蒸す、網焼きなどの調理法なら、調理中に肉に含まれる脂を落とすことも可能です。
揚げ物をするなら少量の油で揚げ焼きに、炒め物も油の量を減らすことを心がけましょう。
▼肉の部位で脂質量はこんなに違う
- 肉の種類と部位による可食部100gあたりの脂質量の違い
牛肉
バラ/脂身つき(生):脂質50g:エネルギー472kcal:たんぱく質11g
もも/脂身つき(生):脂質18.7g:エネルギー235kcal:たんぱく質19.2g
ヒレ 赤身(生):脂質15g:エネルギー207kcal:たんぱく質19.1g
豚肉
バラ/脂身つき(生):脂質40.1g:エネルギー398kcal:たんぱく質13.4g
ロース/脂身つき(生):脂質22.6g:エネルギー275kcal:たんぱく質18.3g
ヒレ 赤身(生):脂質1.7g:エネルギー105kcal:たんぱく質22.7g
鶏肉
もも/皮つき(生):脂質14.2g:エネルギー190kcal:たんぱく質16.6g
むね/皮つき(生):脂質5.9g:エネルギー133kcal:たんぱく質21.3g
ささみ(生):脂質0.8g:エネルギー98kcal:たんぱく質23.9g
▼脂質を抑えておいしく食べるには
脂質の少ない種類、部位をチョイス
そもそも脂身の少ない肉であれば、脂質の摂り過ぎをそれほど気にする必要もない。
上記を参考に脂質の少ない種類や部位を選んで食べるようにしよう。
余分な脂身は調理前にカット
ステーキやとんかつなど、ガッツリ肉料理を楽しみたいときは、調理前に余分な脂身を取り除いてしまうといい。
「揚げる・炒める」より「蒸す・茹でる」
揚げ物、炒め物は調理時に油を使うのでNG。
脂質を減らしたいなら「茹で・蒸し料理」がいい。
焼きながら油を落とす「網焼き」もおすすめ。
「腎臓の話 より」
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
同時に、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?