前頭前野の働き 3.集中力→ノルアドレナリン神経

前頭前野の働き 3.集中力ノルアドレナリン神経

 

あなたがてきぱき仕事をこなしているとき、前頭前野の左右外側にノルアドレナリンがたっぷり分泌されているはずです。

 

集中力とは、仕事や作業をこなす能力と言い換えてよいでしょう。

さまざまな情報を瞬時に分析し、これまでの自分の経験と照合して、最善の行動を選択する働きを指すもので、「ワーキングメモリー」とも呼ばれます。

 

車の運転や料理などは、まさにこの能力が必要です。

車の運転なら、対向車や横断する人の様子、天候など、あらゆる状況を一瞬で判断しなくてはなりませんし、料理なら、複雑な手順を効率的に進めなくてはなりません。

どちらも脳の機能としてかなり高度なものであり、前頭前野が正常に働いているときでないとできません。

 

前頭前野が未発達な子ども、認知症になったり大量の飲酒をしたりして前頭前野の働きが低下した人には、こうした作業を正確にすることができません。

 

ノルアドレナリンは、ドーパミンと同じく興奮物質ですが、私たちにもたらす興奮の内容が異なっています。

ドーパミンは私たちに「快」の情動を引き起こしますが、ノルアドレナリンは逆に「怒り」や「危険に対する興奮」をもたらすのです。

 

ノルアドレナリン神経が活性化されるきっかけは、体の内外から加わるストレス刺激です。

たとえば、私たちが仕事をするときには、締め切りや上司のプレッシャーといったストレスがかかってきます。

そのストレスによってノルアドレナリンが脳内に分泌され、自律神経に働きかけ、血圧を上昇させ、心臓の拍動を速めることで、集中力を高めるわけです。

 

ノルアドレナリンが適量に分泌されれば、脳に適度な緊張をもたらし、ワーキングメモリーの働きがスムーズになります。

ある程度の緊張感を持っていたほうが、仕事も運転もうまくいくのはこのためです。

 

もちろん、生命に危機が迫ったときや不快な状況と戦うときにも、ノルアドレナリンは分泌されます。

集中力を高めることで、そうした危険な状態から脱出できるように差し向けているわけです。

私たち人間が、これまで絶滅することなく生き延びてこられたのは、このノルアドレナリン神経の働きのおかげといっても過言ではありません。

 

ところが強いストレスが長時間加わると、ノルアドレナリンが分泌されすぎて、脳の興奮がコントロールできなくなってしまうことがあります。

そうなるとワーキングメモリーの動作が弱まるだけでなく、不安神経症パニック障害などの原因にもなってしまいます。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。

気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。

とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。

しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

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