脳の「前頭前野」の4つの働き
脳の「前頭前野」の4つの働き
前頭前野は、人間を人間らしくするために、次のような4つの働きを持っています。
1.意欲
2.共感力
3.集中力
4.切り替え力
それぞれの働きをつかさどる領域は、前頭前野の別々の部分割り当てられていることがわかります。
1は前頭前野の内側、目の上の部分。
2は前頭前野の「腹内側」(額の中央部)。
3はその左右外側の上方。
4は左右のこめかみに当たる「腹外側」と呼ばれるあたりです。
それぞれの能力が、どのように発揮されるかは、どういった神経伝達物質がどの程度分泌されているかに左右されます。
というのも、脳内には膨大な神経のネットワークがあり、互いに神経伝達物質をやりとりしながら、そのときどきの心や精神状態をコントロールしているからです。
セロトニンもそうした神経伝達物質の1つであり、セロトニンを使って情報を伝達しているのがセロトニン神経です。
セロトニン神経以外に代表的なものとして、ドーパミンという神経伝達物質を使って情報伝達をおこなっている「ドーパミン神経」、ノルアドレナリンを使う「ノルアドレナリン神経」などがあります。
そして、前頭前野の4つの働きは、それぞれこの3つの神経とかかわっています。
それぞれの担当をわかりやすく区分すると、次のようになります。
1.意欲 →ドーパミン神経
2.共感力 →セロトニン神経
3.集中力 →ノルアドレナリン神経
4.切り替え力 →セロトニン神経
もちろん、それぞれの神経はプラスに働くときもあれば、マイナスに働くときもあります。
たとえば、ノルアドレナリン神経が活発に働いて、仕事や勉強に集中できるのはプラスですが、活動が過剰になって、周囲の人間関係が見えなくなるほど熱中してしまうようではマイナスです。
そして、当然のことながら、私たちの心は一定ではありません。
ふだんは優しい人が、突然怒り出すということもあります。
いつもは元気な人でも。ときにはおとなしいことがあります。
それは、こうした神経の働き、すなわち前頭前野の働きの表れなのです。
私たちの心の動きは、そのときどきで、前頭前野のどの領域が強く働いているかによって大きく変化していくというわけです。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?