第1章 30分に一度は立ち上がり、歩き回る

第1章 30分に一度は立ち上がり、歩き回る

 

自宅でテレビを見ながらソファでまったり寛いでいるときでも、オフィスでのデスクワーク(自宅でのテレワーク)でも、30分に一度くらいは立ち上がって下半身を動かして、ミルキング・アクションのスイッチを入れるように意識しましょう

 

スクワットのように、下半身の筋肉を鍛える効果までは期待できないかもしれませんが、筋肉の衰えを遅くさせる効果はあるでしょう。

少なくとも血流を促進させる効果はあります。

 

スクワットをしないまでも、ただ立つだけなら簡単ですから、続けやすいと思います。

30分に一度が難しいなら、1時間に一度でもいいでしょう。

とにかく、気がついたら気分転換がてら立ち上がってみることです。

 

できる限り、このルールを守っておくと、エコノミークラス症候群の予防にもなります。

 

 

立ち上がったら、そのついでにトイレに行ったり、窓を開けて換気をしたり、軽く歩き回ってみると、なお効果的です。

それによってミルキング・アクションが起こり、脳にもフレッシュな血液が送り込まれます。

「座るより立つ、立ったら歩く」を心がけましょう。

 

余裕があれば、かかとを上げるつま先立ちを「イチ、ニイ、サン、シイ……」と何回かやってみてください。

そのたびに、ふくらはぎの筋肉が伸縮し、よりいっそうミルキング・アクションが促進されます。

 

高齢者は、転ばないように、椅子の背もたれや壁などに手をついて行うといいでしょう。

 

事情が許せば、そのまま散歩に出かけたり、近所のコンビニやカフェまで飲み物を買いに出かけたりしてみれば、なお効果的です。

 

また、座っているときに、「貧乏ゆすり」をするのもいいです。

貧乏ゆすりは、江戸時代にはすでにあった言葉で、貧しい人が飢えや寒さに堪えかねてブルブルと震えている様子から、名づけられたという説が有力です。

 

落ち着かないクセとして嫌われがちな貧乏ゆすりですが、血液循環を促すという面では効果的なのです。

下半身の筋肉が小刻みに動くたびに、ミルキング・アクションが誘発されるからです。

 

こうした効果に注目が集まり、最近では「健康ゆすり」として肯定的にとらえる人も増えてきています。

 

 

脳の血流を増やす下半身の運動1

 

1.壁に両手をついて体を安定させる

2.つま先をゆっくりと上げ下げする

 

脳の血流を増やす下半身の運動2

 

1.椅子に座って座面の横を両手でつかむ

2.リズミカルに両足を上げ下げして足踏み

 

※ポイント 意識してときどき立ち上がり、歩くことで血流をうながしましょう

 

「ミルキング・アクション」

血液を心臓に戻す血管は、「静脈」です。

静脈の周囲にある筋肉を動かすたびに、静脈は「圧迫」されます。

続いて、筋肉がゆるむと静脈は「開放」されます。

この繰り返しで、まるでバケツリレーのように血液を下から上へ、下から上へと送り出しています。

このしくみを「ミルキング・アクション」といいます。

「一生ボケない習慣 より」

 

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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?

顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。

それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。

わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。

動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。

虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。

そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。

このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

 

ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/